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5 水・ミネラル・血液概論:たかが水されど水(3)

アルドステロンが主に調節するのは、

血液中のミネラル(各種イオン)濃度です。

 

血液中ミネラルと聞いたら、

まず意識してほしいのが血液中カリウム濃度

血液中カリウム濃度は、細胞の中より低くなければいけません。

ミネラルの勉強を進めると、

「ナトリウムイオンは細胞外に多くて、

カリウムイオンは細胞内に多い」を必ず覚えることになります。

どうして覚える必要があるのか。

これが守られていないと、

細胞はうまく電気を作ることができないのです。

電気は神経細胞の細胞内情報伝達の形でしたね。

そして運動神経細胞が、筋肉に収縮命令を伝える形でもあります。

カリウムイオンの血液中濃度が高くなってしまうと、

神経の情報は伝わらず、筋肉は収縮しません。

端的に言うなら、心臓が止まってしまいます。

「高カリウム血症は心停止のサイン!」なのです。

 

アルドステロンの血液中カリウムイオン調節で忘れてはいけないのは、

「レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系」という言葉。

この呪文は、血圧を上げるときに唱えます。

そうすればレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系が働いて、

血圧を上げ、

さらにアルドステロンが尿中へカリウムイオンを捨ててくれるのです。

 

ここで、細胞の電気の作り方を簡単に紹介。

必要なのは「チャネル」と「ポンプ」です。

チャネルというのは、

細胞膜にある決まったイオンだけが滑ることのできる滑り台。

イオンは濃いほうから薄いほうへと流れていきます。

「カリウムチャネル」とあったら、

カリウムイオンだけが滑る滑り台です。

チャネルの多くは出入り口に蓋があって使えないときがありますが、

カリウムチャネルだけはいつも使えます。

だから、細胞内にたくさん含まれる(細胞内濃度が高い)

カリウムイオンは、

常に細胞の外に向かって流れ出していきます。

カリウムイオン(K⁺)はプラスの電気を帯びているので、

細胞の中から外にプラスが出ていきますから…

細胞の中はマイナスに傾くことになります。

これが「細胞の膜電位はマイナス」の理由です。

 

同時にカリウムイオンが細胞内に多くなるように頑張っているのが

「ナトリウムカリウムポンプ」です。

細胞の中にあるナトリウムイオンを外にかき出し、

細胞の中にカリウムイオンをかきこむ働きがあります。

ポンプである以上、

動くためにはエネルギー(ATP)が必要です。

ポンプやチャネルは、細胞膜に埋まっているタンパク質ですよ。

ポンプとチャネルが分かれば、

次回おはなしする細胞の電気作成は理解できますからね!