3 ピルのおはなし(4)
月経困難症を引き起こす、
女性良性3大疾患
(子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症)のおはなしです。
子宮筋腫は子宮の外膜に出来る良性腫瘍。
30代の女性では、3~5割に1個はあるといわれています。
子宮の外側なので一見月経困難症とは関係ないように思えますが。
初期は下腹部痛、腰痛、月経量増加。
ちょっと生理が重く感じてくる感じです。
月経量が増加すると血の固まり(血塊)が出て、
貧血が起こりやすくなりますよ。
腫瘍が急成長すると周囲臓器を圧迫し、
排尿困難や腎臓に悪影響を与えることすらあります。
ここまでなってしまうと(一部のこともありますが)
子宮摘出手術可能性が高いので、その前に発見!
子宮内膜症は子宮内膜が子宮外にできること。
月経のたびに出血して、炎症と癒着を繰り返し、
さらに増えていく困った状態です。
主に卵巣、骨盤腹膜、ダグラス窩にできます。
子宮内膜症を起こすと、月経困難症は必発レベル。
3~4割では不妊原因にさえなってしまいます。
鎮痛剤とホルモン剤による長期治療が必要になってきますよ。
子宮腺筋症は、
子宮内膜が「子宮筋層内」で増殖して、
子宮の一部又は全部が分厚くなるものです。
子宮だけど、本来の場所でないところに子宮内膜がありますので
「子宮内膜症」の親戚のようなものです。
30~40代に多く、
月経終了後も続く月経痛や過多月経、貧血が出てきます。
閉経でこれらの症状はなくなりますが、
待っていられないときには薬や手術のお世話になることに。
このように、「良性疾患」と言われていても、
厄介なものに違いはありません。
しかも頻度を考えると、
「自分も、たぶんなる」と思っておいた方がよさそうです。
早期発見・対処が大事なことは、もう分かってくれたはず。
そうでなくとも、月経困難症原因であることから
早く何とかした方がいいに決まっています。
早期発見のためには、かかりつけ婦人科を作ること。
遅くとも大学在学中に1回は婦人科を受診しておいた方がいいでしょう。
ここを読んでいる人の多くは各種実習にいくことになるはず。
そのときに月経困難症等で痛い思いをしたくありませんよね。
また、将来の妊娠・出産を考えても、
婦人科に慣れておくと安心できますよ。
生殖器系関連のおはなしは、ここで一段落。
次回からは、皮膚と粘膜のおはなしに入りましょう。