7 生殖器系のおはなし(12)

発生のおはなし、ヒトの形ができてきました。

3か月(12週)もたつと、かなりバランスの取れた体に。

身体は伸ばしても9㎝ほど、重さも20gしかありません。

脳を見ると、大脳が大分膨らんできました。

まだ、しわは寄っていませんね。

もう嗅球ができていますよ。

脳神経1番、早くも稼働準備です。

4か月(16週)に入ると、頭がピンポン玉くらいの大きさに。

身長約16㎝、体重約100gと育ってきます。

このころから指しゃぶりが始まることも。

指しゃぶりができるということは、

運動神経や筋肉の発育がうまく進んでいるということ。

ここまでが「妊娠初期(受精から4か月まで)」です。

妊娠初期の胎児死亡の多くは、先天的な異常です。

前回までに確認した染色体異常をはじめとする細胞分裂異常ですね。

どんなに母体サイドが注意していても避けられないものがほとんどです。

 

「妊娠中期」は妊娠5か月から7か月までのこと。

この期間は「安定期」とも呼ばれます。

その理由は胎盤の完成です。

胎盤は胎児にとって肺と腎臓の役目をしてくれるところ。

胎児と母体の共同作業器官でもあります。

その胎盤が完成するのは妊娠4か月を過ぎるころ。

それまでは少しのきっかけで

子宮内膜からはがれてしまう「事故」が起こりうるのです。

妊娠中期に入れば、胎盤完成。

多少のことでは胎盤の事故は起きません。

 

でも注意。

安定期だから何をしてもいいというわけではありません。

胎盤の血液の流れを妨げてしまっては、

胎児に悪影響が出る可能性があります。

例えばタバコ

タバコの害については呼吸器系のところでも

脳神経系のところ(受容体とニコチン)でもおはなししてきました。

ここでは血管収縮作用が悪さをします。

タバコに含まれるニコチンが血管の平滑筋を収縮させるため、

胎盤に向かう血液が少なくなります。

つまり、胎児が受け取れる酸素や栄養分が減ってしまうということです。

しかもタバコは「1回で終わり」というものではありませんね。

常に酸素や栄養分が不足するということは…

胎児の細胞がずーっと酸素不足・栄養不足ということ。

これ「細胞がうまく細胞分裂できない状態」ですよね。

細胞分裂して頑張って作っているところが、おかしくなってしまうということです。

さらに胎盤自体もまいってしまいます。

 

結果、早産が起きやすくなります。

新生児はうまく細胞分裂できませんでしたから、体重が軽いまま(低体重児)です。

もっとひどいと周産期死亡が起きます。

周産期死亡というのは

「妊娠22週(5か月半ば)以降の胎児死亡と出生後1週以内の死亡」をまとめたもの。

せっかく安定期に入ったのに、

胎児が死んでしまうという悲しい状態です。

この周産期死亡という言葉は、厚生統計分野で出てきますからね。

きっと母性看護でも耳にするはずです。

 

どうして早産や低体重児が問題になるのか。

それは次回の発生(妊娠中期)を見てくれれば分かりますよ。