2 呼吸器系のおはなし(3)

咽頭と喉頭の周辺を断面から確認しましょう。

参考のために、簡略化したサルの断面と比較です。

どちらにも空気ルートと食べ物ルートがありますが、

分岐点の位置が違いますね!

サルでは口に食べ物を入れてのどに届いたら、

食べ物が下(食道・胃)に向かう前に空気ルートとはお別れです。

ヒトでは…食べ物が食道に向かって落ちていく途中に

空気ルートとの分岐点があります。

いくら喉頭蓋という蓋があるとはいえ、結構怖い構造です。

誤嚥が怖い構造にしてでもヒトが手に入れたもの、それは「声」です。

音を響かせる空間を広くとれたことで、

他の動物にはない複雑な声をヒトは出せるようになりました。

 

危険な咽頭・喉頭構造の確認終了。

気管・気管支のおはなしに入ります。

気管は名前の通り「空気の通る管」

ありがたい繊毛が内側に生えています。

外側は姿勢が変わってもつぶれないように、軟骨のチューブで覆ってあります。

肺は左右に1個ずつあるので、気管も左右に枝分かれします。

この枝分かれ1回目の直後が「主気管支」です。

このとき、右と左で角度が違います。

右肺に向かう方はほぼ直滑降!

左肺に向かう方が幾分傾きがなだらかになっています。

だから「あっ!誤嚥した!」というときは、

まずは右側(直滑降)のほうに落ちていったのではないかと疑いましょう。

体をたたいた振動で異物等を出しやすくする「タッピング」では、

異物のある方を上にすれば、効果が出やすく(異物が落ちていきやすく)なります。

頭をなるべく下にして(無理ならせめて横になって)、

できれば異物のある方を上にして(右側を上に横を向く感じ)、

背中を手でポンポンと叩いてください。

手はうまく振動が伝わるようにお椀型にしてください。

手で水をすくうときの、あの形ですね。

こうすれば、繊毛の働きと重力、振動のパワーが相まって、

異物が無事に体の外に出やすくなります。

誤嚥だけでなく、出にくい痰を出すときにも使えますからね。

 

気管の枝分かれはどんどん続きます。

枝分かれが進むにつれて、気管支の名前も変わっていきます。

主気管支から葉気管支→区域気管支→亜区域気管支→細気管支…。

大体、20~25回枝分かれすると交換所の肺胞に到着です。

気管支には筋肉(平滑筋)がついていて、

筋肉が収縮すると気管が細くなります。

気管を細くすることで、押し出す空気の流れを強くすることができます。

せきやくしゃみをして、異物を体の外に出すには空気の勢いが必要ですからね。

でも、この平滑筋という筋肉は夕方から夜になると収縮しやすくなります。

そのせいで気管支喘息が夜にひどくなって眠れない…という困った状態が。

起きがけも喘息がひどくなることが多いですね。

それは自律神経系の副交感神経系が関係しているせい。

神経系についてのところで、もう1度おはなししますからね。

今は「気管支についている筋肉は、夜や朝方に縮みやすいんだ!」

これだけで十分ですよ。