9 呼吸器系のおはなし(4)呼吸中枢とその異常(1)

2 呼吸中枢とその異常

骨が一段落したので、

呼吸の大元締め「中枢」のおはなしです。

意図して(意識して)筋肉に

「縮め!」の命令を送るのは、大脳のお仕事。

でも、意識しなくとも呼吸はできますね。

これは反射と呼吸中枢のおかげです。

 

反射というのは意識せずともできる、

特定の情報に対する決め打ち行動。

「この情報が来たら、ここの筋肉に縮んでもらう!」

と決めておくのです。

そうすれば、

大脳で情報を総合して判断する必要はありません。

だから反射は大脳以外が

「命令を出す場所」になります。

反射には情報を受け取る受容器、

情報を判断して命令をする中枢、

命令を受けて動く効果器が必要。

これら3つを合わせて「反射弓」です。

呼吸で具体的に考えてみましょう。

効果器が呼吸筋(横隔膜、外肋間筋、内肋間筋、

補助呼吸筋群)なのはいいですね。

横隔膜が主役になるものが腹式呼吸。

肋間筋が主役になるものは胸式呼吸。

腹式呼吸や胸式呼吸では

まだ酸素量が不足しているときに、

胸郭の上の方(鎖骨付近)の

補助呼吸筋群も動かしてする呼吸が、努力呼吸です。

努力呼吸は「肩で息をしている」状態ですね。

 

情報を受け取る効果器は複数あります。

肺胞の膨らみぐあいを感じ取る肺胞の機械受容体は、

迷走神経につながっています。

血液中酸素・二酸化炭素濃度を感じ取る化学受容体は、

頚動脈と大動脈にあります。

頚動脈にある頚動脈体は舌咽神経に、

大動脈にある大動脈体は迷走神経につながっていますよ。

これらの情報を受け取って

 

命令をするところ(中枢)は、橋と延髄にあります。

橋が上位呼吸中枢、延髄は下位呼吸中枢。

現場への直接命令が延髄の呼吸中枢、

延髄呼吸中枢をコントロールするのが

橋の呼吸中枢ですね。

 

中枢からでた収縮命令は、

脊髄の伝導路を通り、前角を経由して、

それぞれの呼吸筋へと伝わっていきます。

「脊髄への入力(感覚情報)は後ろから、

脊髄からの出力(筋肉への収縮命令)は前から」

でしたよね。

横隔膜に向かう運動神経は頚髄から、

他の呼吸筋に向かう運動神経は

胸髄から出ています。

筋肉に収縮命令が届き、呼吸筋が収縮すれば、

胸郭の大きさが変わります。

無事、「呼吸」ができるわけです。