2 皮膚(3)皮膚に必要なもの

「炎症」については、

生化学の白血球や過敏症のところでおはなし済みですが。

皮膚(そしてこの先の髪)に関係して、

少し強調しておきたいのが「接触性アレルギー」です。

皮膚に影響が出てくるので、即時型のⅠ型と遅延型のⅣ型ですよ。

 

ここで紹介するのは、パラフェニレンジアミン。

一見とても役に立つのですが…実は細胞にとって害になりやすく、

それゆえヒトの体が「異物だ!排除せよ!」と

過剰反応(アレルギー)を起こしやすいものでもあります。

 

パラフェニレンジアミン…

聞きなれない名前ですが、少しずつ確認です。

「ジアミン」というのは、

「アミノ基(-NH₂)が2つ(di-(ジ):2の接頭語)あるよ」の意味。

「パラ」というのは、「2つあるアミノ基が、

正反対の位置(180°の場所)にあるよ」の意味です。

「フェニレン」は、

「フェノールというものを土台にしているよ」ですね。

 

フェノールは、炭素(C)が基本になってできた6角形に、

ヒドロキシル基(ヒドロキシ基ともいう:-OH)が1つ付いたもの。

2つヒドロキシル基が付くと、付いた2つの位置関係によって

「オルトジフェノール(6角形の角の隣どうし)」、

「メタジフェノール(6角形の角の1つ間が開いた)」、

「パラジフェノール(6角形の角の2つ間が開いた:正反対の位置)」

ができます。

 

このパラジフェノールは

ヒドロキノン(ハイドロキノン)とも呼ばれます。

還元性が強く、その性質を利用して写真(フィルム)の現像や

美白成分として使われます。

そしてヒドロキノン(ハイドロキノン)のヒドロキシル基の部分を、

2つともアミノ基に変えたものが「パラフェニレンジアミン」です。

 

では、どうやって美白しているのか。

まず、ヒドロキノンは「還元」という働きによって、

メラニンの傘を開くための酵素の働きを邪魔します。

すると一定量以上の紫外線が当たってもメラニンの傘が開きませんから、

肌は黒くなりません。

また、メラニンを作る細胞(メラノサイト)自体の邪魔もします。

するとメラニンの傘自体が減ってきて…

やっぱり肌が黒くなりません。

だから「黒くならない!イコール、白くて美しい肌!」

…これが美白。

ヒドロキノン(ハイドロキノン)が美白成分という理由、

分かりましたね。

でも、みなさんはここまで

「メラニンの傘は真皮より下を守ってくれるありがたいもの」と

勉強してきました。

そんなメラニンの傘が開かない、

そもそも数が減ってくる状況になったらどうなるか…

もうイメージできますね。

ビタミンD合成に必要な分以上の紫外線が真皮以下まで入り込んで、

火傷や皮膚がんのもとです。

それを防止しようとすると、日焼け止めでブロックしすぎて

「ビタミンD合成とカルシウムの吸収がピンチ!」でしたよね。

だからヒドロキノン(ハイドロキノン)は、

量(濃度)をちゃんと調節しないと、

ヒトの健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。