数字なんか怖くない!:点滴計算のおはなし(2)
点滴計算の基本、
「1滴は何㎖か」「何滴体の中に入ったか」について
前回理解できましたね。
今回はもう少しおはなしを進めますよ。
看護実習等で「1分間に何滴で輸液する」と指示があったこと、
覚えていますか?
私たち医療者が輸液をするとき、
「1分間に何滴落ちるか」で
輸液が体の中に入る量を決めています。
『成人用で1分間に40滴』と指示があるとき、
1分間に何㎖の薬液が体に入るでしょうか?
成人用は…20滴で1㎖だから「1滴=1/20(㎖/滴)」だね。
それが40滴だから…。
1/20(㎖/滴)×40(滴)=2(㎖)だね!
はい、よくできました。
せっかくなので、「小児用」だったらどうかも確認しましょう。
ついでに『1分間で40滴』の単位を(滴/分)にして
式にしてみてください。
小児用は1/60(㎖/滴)だったから、
1/60(㎖/滴)×40(滴/分)=2/3(㎖/分)だね。
…うわ、分数だ。
ここで割り算ははじめないほうがいいんだよね?
はい、そうです。
分数はそのままのほうが計算しやすいことがあります。
落ち着かない気分をぐっとこらえて、
分数のままでおいておきましょう。
ここまでで
「1分あたり何滴体の中に入りましたか」の計算が
解けるようになりました。
ここまでできれば「何分たったか」、
「残液量はどれくらいか」「あと何時間か」等々、
点滴計算が一気に解けるようになりますよ。
では、実践練習。
「輸液500㎖を2時間で行う。
成人用輸液セットを使うとき、1分に何滴か。
小数点第一位を四捨五入して答えよ」を解いてみましょう。
…どこから手を付ければいいのかな?
「①成人用輸液セットは1滴何㎖ですか」
「②何分で、何㎖入れればいいですか」
「③1分で何㎖を体内に入れますか」
「④『何滴(滴)』を使って式を立てる」
この順番でいきましょう。
成人用は20滴で1㎖だから、①は1/20(㎖/滴)。
2時間は60(分)×2=120分だから、
②は120分で500㎖を入れるんだね。
②から③500(㎖)/120(分)が
1分間に体内に入れる量…と。
④は…そうか!
1分に体の中に入る量は
1/20(㎖/滴)×『何滴(滴)』になるね!
これ、③と等しくなるはずだから…。
1/20(㎖/滴)×『何滴(滴/分)』=500(㎖)/120(分)
これが④の式か!
よくできました。
「1分あたり何㎖体内に入るか」と
「1分あたり何㎖体の中に入れるか」が
等号(イコール:=)でつなげることがポイントです。
次回はこれを最後まで解いてみましょう。