9 各論4:体温(内分泌系):甲状腺・副甲状腺(7)

骨に働く性ホルモンとして、

女性ホルモンの卵胞ホルモン補充、エストリオールを紹介しますね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052360

エストリオールは老人性骨粗鬆症をはじめ、

更年期障害、膣炎、子宮頸管炎や子宮膣部びらんに使われる薬です。

キーワードは「(閉経による)卵胞ホルモン不足」ですね。

 

閉経は生殖不要年齢になったとして、

体が卵胞ホルモン・黄体ホルモンを作らなくなること。

更年期障害は、その前に生じるホルモン分泌変動による身体的・精神的変化です。

「生殖不要」ですから、男性生殖器を受け入れる準備もおしまい。

分泌物の性状が変化して、膣や子宮に炎症が起こりやすくなります。

 

そして卵胞ホルモンには

骨芽細胞を応援し破骨細胞を邪魔する働きがありました。

そんな卵胞ホルモンが閉経で出なくなりますから、

骨芽細胞は応援がなくなってしょんぼり。

破骨細胞は抑制が外れて元気になります。

その結果が骨粗鬆症です。

閉経後の女性で骨粗鬆症が多いのは、

卵胞ホルモンが作られなくなり、骨代謝が変化したからなのですね。

 

卵胞ホルモンの補充、エストリオールの禁忌は結構多いですよ。

妊娠・妊娠可能性のある人が禁忌なのはいいですよね。

本来、妊娠中は黄体ホルモン優位のはず。

そこに卵胞ホルモンがドカンと追加されては…。

動物で着床障害が報告され、ヒトでの安全性は確立されていませんよ。

閉経後の骨粗鬆症目的で使うときには心配不要だと思いますが、

閉経前の女性でも起こりうる「膣炎」などでは

ちょっと注意しないといけないですね。

 

エストロゲン依存性の悪性腫瘍にも禁忌です。

治療後であっても、乳がんは再発危険です。

あと「異常性器出血」は子宮内膜がんの可能性があります。

原因を突き止めた後じゃないと、怖いですね。

同様に治療をしてない子宮内膜症も悪化させてしまう可能性があります。

「生理が重い」人は、もしかしたら子宮内膜症かもしれませんよ!

 

あと「卵胞ホルモン補充」と見たら、

「血栓や塞栓の危険」を思い出すようにしてください。

現在「ある」だけでなく、以前「あった」人も禁忌ですよ。

卵胞ホルモンは凝固系を活性化する働きがあります。

確かに、月経時に血が止まりやすい状態にないと子宮内膜が困ってしまいますね。

凝固系活性化で血栓ができやすくなり、

流れて行って詰まりやすくなります(塞栓)。

血栓と塞栓一般についてのおはなしは、「脈・血圧」のところでしてありますよ。

危険なサインには、一刻も早く気付いてくださいね!

 

次回はエストリオールの慎重投与も見ていきましょう。