数字なんか怖くない!:点滴計算のおはなし(3)
前回の問題を最後まで解いてみましょう。
問題は「輸液500㎖を2時間で行う。
成人用輸液セットを使うとき、1分に何滴か。
小数点第一位を四捨五入して答えよ」でした。
そして
1/20(㎖/滴)×『何滴(滴/分)』=500(㎖)/120(分)
ここまで(前回④)式が立ちましたね。
両辺に120(分)をかけるときれいになりそうです。
1/20(㎖/滴)×『何滴(滴/分)』×120(分)
=500(㎖)/120(分)×120(分)
6(㎖)×『何滴』=500(㎖) …ここで1/6(㎖)をかけます
『何滴』=500/6 …一応、2で割れますね
『何滴』=250/3
残念ながらここでストップ。
あとは割り算するしかなさそうです。
ここで問題文を確認しておきましょう。
「小数点第一位を四捨五入して答えよ」でしたね。
だから、割り算は小数点第一位までで止めてよさそうです。
必要以上の時間をかけないために、
問題文は最初と計算前に確認ですよ。
250/3=83.3…ですね。
ここで小数点第一位を四捨五入ですから…
3は4以下なので、捨てるんだね!
答えは83滴。
1分間に83滴入るようにすれば、
2時間で500㎖を輸液できるんだ!
よくできました。
念のため、答えを使ってちゃんと500㎖輸液できるか
確認してみましょう。
成人用輸液セットのなので、1滴は1/20㎖。
1分間に83滴なので、
1分間に体の中に入るのは1/20×83(㎖/分)。
2時間は60分×2=120分。
だから2時間で体の中に入るのは
1/20×83(㎖/分)×120(分)
=6×83(㎖)
=498(㎖) …あれ?足りない?
いえいえ、大丈夫ですよ。
だってさっき「四捨五入」しましたよね。
そのせいで切り捨てられた分が
2時間で2㎖あった、ということです。
念のため、割り算する前の分数で再計算してみましょうか。
1/20×250/3(㎖/分)×120(分)
=6×250/3(㎖)
=2×250(㎖)
=500(㎖) …よかった。ちゃんとあった…
安心できましたね。
答えとして出した四捨五入後で検算し、
さらに割り算前の分数で検算。
これで問題文の数字に合うことが確認できれば万全です。
割り算前の分数だけで検算したくなりますが、
それでは割り算の間違いがあったときに気付けません。
問題文に合った答えで検算して、
途中の分数状態で検算。
この方法なら、途中のミスも見つかりやすくなりますよ。
あとは、単位もつけて計算!でしたよね。