11 ホルモンのおはなし(4)
ホルモン各論、頭から始めますよ。
頭部にあるホルモン産生地点は視床下部と下垂体です。
いきなり言われても場所が分かりにくいですね。
場所は、視床下部が眉間の奥…頭のほぼ中央部分です。
下垂体はその字のごとく
視床下部の「下に垂れた」場所にあります。
大体の位置、いいですね。
視床下部は、全身のホルモンのコントロールセンター。
命令を出す中で一番偉い人と思って構いません。
偉い人は、
下々の者に個別の命令を出すわけではありません。
他の人に命令できる立場にある人に、
大まかな方針を伝えて実現してもらう
…というのが社会の大組織。
ヒトの体内も、
視床下部は基本的に下垂体に命令を出します。
個々の器官に直接命令をしないわけではありませんが、
主に下垂体に指示するホルモンが視床下部から出ます。
ここでは
視床下部から出るホルモンの名前を挙げてしまいますが、
今は「へー、こういうのが出るんだー」
と読み流してください。
その代わり、下垂体までおはなしが終わったら
必ず読み返しに戻ってきてください。
そのときには、
「視床下部ホルモンは下垂体ホルモンに命令することで、
全身をコントロールする」意味が分かるはずですからね。
成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)と
成長ホルモン抑制ホルモン(GIH)は、
下垂体から出る成長ホルモンのコントロール。
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は、
下垂体から出る甲状腺刺激ホルモンをコントロール。
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)は、
下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモンをコントロール。
プロラクチン放出因子(PRF)と
プロラクチン抑制因子(PIF)は
下垂体から出るプロラクチン(PL)をコントロールするもの。
生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は
下垂体から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)と
黄体形成ホルモン(LH)をコントロールするものです。
…たくさん出てきたので、
頭が痛くなってしまった人がいるかもしれません。
でも実は名前通りの仕事をしているホルモンばかり。
落ち着いてから、もう1回読み直してくださいね。
そうそう、下垂体を経由しないで
個々の器官に命令するホルモンも出ていますよ。
ソマトスタチン(SS)が視床下部から出ています。
これは消化に関係するホルモンを抑制する働きがあります。
あとで他のところからも出てきますので、
そのときにもう1回思い出してくださいね。
次回は視床下部から命令を受けるところ、
下垂体のおはなしです。
ホルモンの第一の山場になります。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220607更新)