9 ビタミン・ミネラルのおはなし(5)

脂溶性ビタミン、残りを終わらせましょう。

 

ビタミンEは、抗酸化作用が有名ですね。

「酸化にあらがう(抗う)」…なかなかイメージが難しいですが。

生化学を勉強してきた皆さんには、

「細胞膜をやわらかく保つ」といえば分かってもらえそうです。

スーパー膜がやわらかいから、

エンドサイトーシスもエキソサイトーシスもできるのです。

ビタミンE欠乏症には溶血性貧血、不妊症、筋萎縮…と

怖い文字が並んでいます。

でも、その割には巷(ちまた)であまり問題になりません。

その理由は結構いろいろなものに含まれているから。

魚卵(たらこなど)、油脂(油)、種実類(アーモンドなど)…

普段口にするものばかりですね。

 

ただし、アレルギーがある人にとってはちょっと危険。

ナッツアレルギーと卵アレルギーはそこそこ患者数が多いもの。

しかもサプリメント類は

「アレルギーの人は服用しないでください」という注意書きが。

…ウナギやアボカドは、

ビタミンEが多めでアレルギー発症例が少ないはずです。

念のため、お医者さんで相談してくださいね。

ビタミンE過剰症は骨粗鬆症にかかりやすくなるといわれています。

これは破骨細胞を元気にしてしまうから。

取りすぎは、やはりよくないものなのです。

 

ビタミンKは血液凝固止血に関係してきます。

血(血液)は全身の細胞に酸素と栄養分を運んでくれるもの。

体から出て行ってしまったら大問題です。

だから止血…出血した部分の欠陥をふさぐことはとても大事。

そんなところに働くビタミンなのに、

欠乏症は新生児以外ではお目にかかる機会は少ないはず。

それは、腸内細菌がせっせと作ってくれているから。

腸内細菌は、

ヒトのためにビタミンKを作っているわけではありません。

自分たちが増える…ついでにビタミンKができているだけです。

「ついで」とはいえ、感謝感激です。

なぜ新生児ではビタミンK欠乏症が出るのかというと、

まだ腸内細菌が本気を出せる状態にないから。

しかも運が悪いことに、母乳にはビタミンKが少ないのです。

ほぼ完全栄養といわれる母乳の泣き所、それがビタミンK。

このまま放っておくと、

赤ちゃんが腸内出血を起こして黒い便が出る

ビタミンK欠乏症「新生児メレナ」を発症してしまいます。

それは困るので、病院ではビタミンKシロップを飲ませますよ。

生まれたとき、1週間後、1か月健診等のタイミングで

ビタミンKを補給して…そのあとは腸内細菌が頑張ってくれます。

 

腸内細菌がいるとはいえ、やっぱり不安…というときには

納豆やほうれん草、春菊あたりから補充しましょうね。

過剰症は今のところ知られていませんが、

サプリメント等の普及で過剰症が出てきても不思議はありません。

 

次回から、水溶性ビタミンのおはなしになります。