1 細胞と代謝:生命の最小単位(3)
核・細胞膜・細胞質に続いて、残りの細胞小器官も確認です。
ミトコンドリアは、ジェリービーンズ状の楕円球構造。
中を見ると、内側に向かってひだ(クリステ)が出ています。
ミトコンドリアは、ATPを作る場所。
化学パートで化学反応についてたくさん勉強しましたね。
「グルコースからATPを取り出す酸化反応」のところです。
グルコースの酸化反応で熱(ATP)を取り出すのは、
ミトコンドリアの役目です。
酸素が必要であること、
火力発電所とほぼ同じ発電効率であることも思い出しておきましょう。
リボソームとリソソームは1文字違い。
でも働きは正反対。
リボソームは作る担当、リソソームは壊す担当です。
リボソームは雪だるま型をした、タンパク質を作るところ。
タンパク質合成には、アミノ基転移酵素等が働いています。
次章でもう1度確認しましょうね。
リソソームは、球形の各種分解の場。
こちらの「分解」には「酸化」が大活躍。
しかも単なる酸化にとどまらず「過酸化」も登場します。
こちらは「免疫」のところで出てきますからね。
小胞体は細胞内通路のような役目。
表面に付くものの有無で2つに分かれます。
表面にリボソームが付いたものが、粗面小胞体。
遠目に見ると、リボソームのせいで凸凹に見えます。
リボソームで作られたタンパク質が通る通路ですね。
かたや表面に何もついていないものが滑面小胞体。
遠目に見ると、粗面小胞体と違ってつるつるしています。
こちらは細胞質で作られた脂質の通路。
細胞質と滑面小胞体をセットにして
「脂質合成に関与」としていることが多いですね。
滑面小胞体は解毒にも関係していますよ。
ゴルジ体は平べったい袋のようなもの。
こちらは細胞内運搬の仕上げ係です。
ゴルジ体のすごいところは、
運搬のための荷造り(袋詰め)までしてくれること。
イメージとしては、バルーンアートを思い出してください。
中にものが入ってきて、それを1か所に寄せたら、
寄せた部分の入り口をしぼって袋のようにしてくれるのです。
しかも袋詰めした部分を切り離すこともできます。
これはゴルジ体も生体膜(細胞膜と同じ)で出来ているから。
この切り離した部分に、細胞外に分泌するものが入ると
「分泌顆粒」と呼ばれます。
いろいろなものが入りますが…
ここではヒスタミンというものが入ることを覚えておきましょう。
以上、細胞の中の役割分担「細胞小器官」でした。
細胞の中1つとってみても、
たくさんの役割分担がされていることが分かりましたね。
人体内の役割分担「臓器・器官」のおはなしのときには、
ここの細胞小器官の役割も思い出してくださいね。