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1 細胞と代謝:生命の最小単位(4)

ここから後半戦。

代謝のおはなしに入ります。

ここでのおはなしは「細胞の代謝」なのですが。

細胞がATP(熱・エネルギー)を作らないと、

ヒトの熱(体温)は維持できません。

つまり「痩せるためには代謝を上げる!」を理解するためには、

細胞の代謝を理解する必要があるのです。

 

代謝の土台は同化と異化

同化というのは、

ATPを使って自分に必要なものを作り出すこと

異化というのは、

グルコース等からATPを取り出すことです。

 

同化は、植物細胞の光合成をイメージするといいですね。

植物細胞(のうち葉緑体があるもの)は、

太陽の光と水、二酸化炭素からグルコースを作れます。

植物にとってグルコースは、ATPの元であると同時に

細胞に硬さを与えるセルロースのもと。

そしていざというときに備えてためておくデンプンのもと。

植物にとって必要なものを作っていますから、同化ですね。

 

では、動物細胞の同化とは何か。

グルコースを取っておくときの形、グリコーゲン生成が一例ですね。

グルコースが余ったとき、

何とかして取っておこうとするのは植物も動物も同じ。

そのときに多少ATPを使うことになっても、

コンパクトにたくさんとっておける形にしたいところ。

ATPを使って、グリコーゲンを作るのはこのためです。

ATPを使って自分に合った「必要な形」を作る

…はい、「同化」ですね。

 

異化はグルコースからATPを取り出すこと。

まさに私たちのイメージ通りの「代謝」です。

高校生物でも勉強した

グルコース1個と酸素から、二酸化炭素と水とATPができるあの式です。

化学パートでもやりましたが、

念のために復習しておきましょう。

 

C₆H₁₂O₆ + 6O₂ → 6CO₂ + 6H₂O + 36ATP ですね。

 

…38ATPって勉強したんだけど?…

 

それ、ヒトの代謝式でしたか?

もちろん、ヒトの細胞でも38ATPを取り出せるところはあります。

でも、筋肉(骨格筋)細胞では、

グルコース1個から取り出せるATPは36個です。

36か、38かの違いは「途中の運び方の違い」。

ATPを取り出す代謝(異化)のプロセス、

少し詳しく見ていきましょう。

グルコースからATPを取り出すためには

「解糖系」

「TCAサイクル(クエン酸回路)」

「呼吸鎖(電子伝達系)」が必要です。

忘れていた人、ちゃんと思い出しましたか?

大事なところですから、

まずは名前をちゃんと覚えましょうね。

 

次回、中身を確認しますよ。