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3 臓器:大事な大事な役割分担(1)

細胞が生きていくための細胞内小器官(オルガネラ)の話が終わり、

細胞の分裂方法についても理解できました。

いよいよ、一個体として生きていくための役割分担のおはなしです。

 

では、どんな役割分担をすればいいでしょうか。

こんなときには

「細胞が生きるためには何が必要か」を考えてみましょう。

細胞のエネルギーはATPでしたから、

ATPを効率よく取り出すためには

グルコースと酸素とミトコンドリアが必要でした。

では、細胞のもとにグルコースを届けるには?

食べ物を消化吸収する消化器系と、

空気中から酸素を取り入れる呼吸器系が必要ですね。

さらには吸収したグルコースと酸素を、

細胞のところまで運ぶ循環器系も必要です。

加えて、消化・吸収・循環をコントロールする中枢神経系も必要

細胞が生きるために必要だからこそ、

これらの働きを解剖生理学で勉強する必要があるのです。

 

ヒトという個体は細胞の集まりですから、

先程の確認は

「何があったらヒトは死んでしまうか」の裏返しでもあります。

「心臓が止まったら死んでしまう」は、循環器系の重要性。

「呼吸が止まったら死んでしまう」は、呼吸器系の重要性。

「食べるものがないと死んでしまう」は、消化器系の重要性。

「眠らないと生きていけない」は、

中枢・神経系の重要性に深くかかわります。

ここまで分かれば、

「細胞が生きることと。ヒトが生きることは大体同じ」と言われても

なんとなくイメージできますね。

 

もちろん、他にも大事な役割分担がありますよ。

「なぜ必要なのか」を意識しつつ、

ヒトの役割分担「組織・器官・器官系」をはじめましょう。

 

組織というのは、同じ役割を持った細胞が集まったもの。

多細胞生物がその特徴を最大限に活かすためには、

細胞同士で役割分担をする必要があります。

生物の表面を覆うことに特化したのが、上皮組織の細胞たち

体の表面を覆う皮膚は、乾燥等を防いで身体防御。

体の内側を覆う粘膜は、

栄養や水分を吸収し、必要なものを分泌していますね。

動くことに特化したのが、筋組織の細胞たち。

ATPを使って長さを変える筋細胞(筋肉)です。

判断と情報伝達に特化したのが、神経組織の細胞たち。

情報を伝える専門と、

判断命令の専門にさらに分業しています。

残ったのはこれらの間を埋める、結合組織の細胞たち。

体内のいろいろな膜や、骨、

弾力を保つコラーゲン等がここに含まれます。

 

次回は、組織の細胞の形に注目しつつ

器官の話へとつながっていきますよ。