10 核酸・遺伝子のおはなし(7)

セントラルドグマの補足説明、残りは翻訳ですね。

翻訳」という以上、ある言語から別の言語に訳しているはず。

ここで行われているのは、塩基言語からアミノ酸言語への「翻訳」です。

 

行われていること自体はとてもシンプル。

mRNAの塩基3つ並びに合ったアミノ酸を、tRNAがリボソームに運んでくるだけです。

mRNAの3つ並んだ塩基は、1つのアミノ酸をコードしています。

これを「コドン」といいます。

でも、単にコドンを見ただけでは何が書いてあるかわかりません。

そこでtRNAの出番。

tRNAにはmRNAの塩基と手をつなぐ塩基があります。

こちらは「アンチコドン」と呼ばれますね。

コドンに合うアミノ酸を運んでくる台車…それがtRNAと思ってください。

この塩基とアミノ酸の対応は、コドン表で知ることができます。

例えば、AAAという塩基があったら。

左、上、右の3軸で、Aの書いてあるところを重ね合わせるだけ。

見てみると…リシン(リジン)にたどり着きます。

ちゃんと、tRNAがリシンを探してリボソームに連れていけば、

タンパク質の一部分完成です。

こうやってmRNAに書いてあった遺伝情報通りにアミノ酸がつながれば、

タンパク質の1次構造完成!

あとは「5 タンパク質」や「6 タンパク質代謝」のおはなしです。

リボソームがタンパク質合成工場だということも、しっかり復習できましたね!

以上、セントラルドグマの説明でした。

今なら『複製・転写・翻訳』といわれても、

何が起こっているかイメージできますね。

DNAからmRNAを作る転写は一方通行、

mRNAからタンパク質(1次構造)を作る翻訳も一方通行です。

セントラルドグマの理解として

「DNA→mRNA→タンパク質」と書かれることが多いと思います。

そのときやっていることは

細胞内のDNAの情報をもとにアミノ酸をつなげてタンパク質を作ること。

要するに、たいそうな名前がついていますが、

細胞が生きていく、自己を増やすことそのものの一側面が「セントラルドグマ」です。

タンパク質や酵素が大事と何回もおはなししてきた意味も、

前より分かってきたのではないでしょうか。

 

ちなみに。

細菌やウイルスでは『逆転写』なんてことができるものもあります。

『逆転写』とは、RNAからDNAを作ること

当然、人間にはありません。

細菌やウイルスで、RNAで設計図を保存しているものにあるのが逆転写です。

なぜこんなものがあるのか。

それは、遺伝子治療・遺伝子組み換えの話と関連してきます。

次回、おはなしすることにしましょう。