8 ヒトを取り巻く環境(2):バイオーム(3)
熱帯・亜熱帯のサバンナより降水量が増えると、
「熱帯多雨林・亜熱帯多雨林」や「雨緑樹林」でした。
温帯のステップより降水量が増えると、
「針葉樹林」「夏緑樹林」「硬葉樹林」「照葉樹林」になります。
温帯でも寒いところ(年平均気温5℃以下:亜寒帯)の
森林が針葉樹林。
クリスマスツリーに使うモミのような常緑針葉樹が代表です。
カラマツのような落葉針葉樹も含まれますね。
イメージとしては北海道以北の森は、針葉樹林です。
年平均気温が10℃近くになると、
冬の寒さは厳しいけどそれ以外は暖かいエリア(冷温帯地域)。
まさに日本の「四季」ですね。
ここはサクラやカエデといった落葉広葉樹が主に生育する
夏緑樹林です。
年平均気温が10℃~(18℃や)20℃だと、
一応冬があってもあまり寒くはなりません。
ここにはシイやカシといった照葉樹林が広がります。
これらは常緑広葉樹で、落葉しませんね。
日本でも西日本の一部(南の方)に多いバイオームです。
年平均気温だけ見ると照葉樹林や夏緑樹林なのに、
ちょっと違うのがあるぞ…というのが硬葉樹林。
降水量自体は幾分少なめ、
冬に多雨、夏は乾燥というエリアです。
社会の地理で勉強する地中海性気候にあたるところです。
ここの主役はオリーブやユーカリといった常緑広葉樹。
乾燥に強い分厚い葉(クチクラ層が厚い)をしています。
日本でも瀬戸内地方は硬葉樹林のところがありますよ。
以上、10のバイオームを確認してきました。
降水量と気温で分かれていること、ちゃんと確認できましたね。
森林のバイオームの多くは日本で見ることができますから、
すぐにイメージできるはずですよ。
さて、ここで確認。
なぜ日本には多くの森林バイオームがあるのでしょう。
気温と降水量でバイオームは分かれていました。
気温に関係してくるのが、緯度と標高です。
緯度に関係するのが(バイオームの)水平分布、
標高に関係するのが(バイオームの)垂直分布ですよ。
次回、もう少しだけ細かく確認していきましょう。