7 反応速度・触媒:体の中の化学反応(3)
逸脱酵素というのは、酵素を含んだ細胞が壊れて
中にあった酵素が血液中に出てきてしまったものです。
細胞が壊れるレベルの、
何かよろしくないことが起こったサインですね。
特定の酵素は含まれる臓器(細胞)が決まっているので、
どこでよろしくないことが起こったか大体の予想が付きます。
ASTは脳、心臓、筋肉、肝臓の4か所にいるので、
「どこか」は絞りにくいですね。
ALTは主に肝臓にいます。
ASTとALTが出ていたら、「肝臓の細胞が壊れた!」ですね。
リン酸転移酵素の例CK(クレアチンキナーゼ)も逸脱酵素。
こちらは骨と心臓と脳にいます。
少し細かく「サブタイプ」というものまで調べることができれば、
どこの細胞が壊れたのか絞り込むことができますよ。
加水分解には「~結合」を切る酵素が含まれます。
糖のグリコシド結合を切る例がアミラーゼ、
タンパク質のペプチド結合を切る例がペプシン。
脂質(中性脂肪)のエステル結合を切る例が
ホスファターゼ…などなど。
大きなものを吸収できる大きさ(小ささ?)まで
分解する消化酵素には、加水分解酵素が多いですね。
以上、具体例でたくさんの酵素の名前が出てきました。
おそらく、これからずっとお世話になる酵素たちです。
早めにその名前に慣れて、仲良くなってくださいね!
使い捨てカイロのおはなしをもう少し補足する必要はありますが、
これで化学パートは一段落です。
体の中で起こっていること、
実は「化学」のお話でしたよね?
ここまで分かってから生物を勉強すると、
今までと違うものが見えてくるはずですよ。
次回、使い捨てカイロの補足のおはなしです。