4 折れた!外れた!(骨折・脱臼):骨折(1)
実は意外と多いのが「骨折」。
「捻挫か…」と思われているものが、
ちゃんとレントゲンを撮ると「骨折だった!」というのは
よくあるおはなしです。
この機会に、骨折をちゃんと理解しておきましょう。
骨折は、骨が折れること。
でも「ぱきっ」と2つに折れることはむしろ少ないですよ。
特に子供では「ぐじっ」と曲がることが多いですね。
軟らかい若い枝が折れるようなイメージ…「若木骨折」と言います。
ひび1つでも、骨折です。
方向性としては、ひびが入るのは長期に力が加わり続けたとき。
スポーツ選手の疲労骨折は、ひびが多いですね。
曲がる・折れるのは強い力が一瞬加わったとき。
転落や転倒、交通事故等が典型例です。
高齢者に多い背骨の骨折は、
頭の重さに負けた圧迫骨折が多くなります。
骨がスカスカになって、
強度不足で上から「ぐしゃ!」ですね。
骨折と分かったら、まずは固定です。
ひび1つでも、かなり強度に不安が出てきます。
そもそも痛くて動かせないと思いますが、
動かして必要以上に骨組織を傷めてはいけません。
だから、身近にあるものでとにかく補強・固定です。
長い骨(太もも、すね、腕…)のときには、
折れた骨と並行に補強材。
傘のように長くて固いものなら最高ですが、
段ボールや雑誌を丸めてもいいので、
少しでも骨のずれを防いでください。
あとは補強材と骨を包帯等で縛って固定。
縛って固定する場所は、
折れた部分の上下と、
先の関節の骨の部分まで固定できれば最高です。
ひざ下を骨折したなら、
骨折部の上下にプラスして、
足首と太ももで固定したい…ということですね。
もちろん、そこまでできないことの方が多いでしょう。
そんなときには「三角筋で腕を吊る」などのように
少しでも骨がずれてしまう(動いてしまう)ことを防いでください。
補強して、包帯で固定したらすぐに病院へ。
…下肢の骨折で歩かせてはいけませんよ。
体重をうまく支えきれずに、
折れていなかった部分まで骨折が広がる危険性がありますからね。
そもそも、力を加える(体重をかける)と
痛みがひどくて歩けないと思います。
おそらく骨膜周辺で出血があるはずですから、
冷やした方が痛みが和らぎますが…
そんなことより、
「動かさずに病院に」向かう方が優先です。
出血が多いときには止血点。
切り傷のところでおはなししてありますからね。
骨折で出血があるときには、
骨の中心部(骨髄)まで
皮膚表面でブロックされていた異物(細菌等)が入り込みやすい状態です。
一刻も早く、消毒と固定が必要ですね。
「…?骨折で出血がないときってあるの?」
あります。
次回、そこの違和感を埋めていきましょう。
「突き指も骨折」が理解できるようになるはずですよ。