7 体温のおはなし(4)内分泌系(全般)(6)

副腎には皮質と髄質があり、

どちらからもホルモンが出ていました。

でも、多くは副腎皮質の分泌過剰・不足が問題になります。

原因を問わず、

副腎皮質から出るホルモンが過剰になったものがクッシング症候群。

高血圧、糖・脂質代謝異常を伴う多様な症状のほか、

特徴的な身体所見(クッシング徴候)が見られます。

満月様顔貌(ムーンフェイス)、

中心性肥満、水牛様脂肪沈着、

筋委縮や筋力低下、皮膚の菲薄化、

赤色皮膚線条等がでるのが、クッシング徴候です。

原因は、糖質コルチコイドの脂肪蓄積作用が頑張りすぎたためです。

 

副腎に原因があるときには、主に腫瘍(腺腫)。

がんは副腎原因のうち5%ほどです。

摘出できればもちろんよくなりますが、

がんのときには転移の可能性もありますよ。

 

そして腫瘍摘出手術の後、

急にホルモン分泌量が減るせいで

急性副腎不全(副腎クリーゼ)が出る可能性があります。

循環不全を起こし、ショックにつながりやすいので、

よく見ていてくださいね。

 

何より怖いのは、合併症の多さ。

高血圧が出るということは、

循環器系に負担がかかっているということ。

しかも糖・脂質の代謝異常付きですから、

動脈硬化症のいきなりハイリスク状態です。

さらに糖質コルチコイドには

抗炎症作用(免疫抑制作用)がありましたね。

感染予防は、単なる糖代謝異常(糖尿病)よりも

注意が必要ということです。

さらに、骨粗鬆症を起こしやすくなります。

自重で背骨(特に腰のあたり)がつぶれてしまう

椎骨圧迫骨折が起きてしまうと、

日常生活動作(ADL)が害され、

生活の質(QOL)も下がってしまいます。

しかも糖質コルチコイド過剰では精神不安定症状も出ます。

これらを全部対策していく必要がありますね。

 

副腎皮質でも

鉱質コルチコイド(アルドステロン)が過剰なのが

「原発性アルドステロン症」。

腫瘍や過形成等が原因で、

高血圧と低カリウム血症が起こります。

過形成の代表「先天性副腎過形成症」は、

新生児マススクリーニングの1つ。

早く見つかれば、予後はとても良好です。

逆に発見が遅れると、心肥大や脳血管障害が出てきます。

だから、しっかりとマススクリーニングする必要があるのですね。

 

そして「原発性アルドステロン症」は高血圧の約1割を占める、

数少ない「原因が分かって明らかに治せる」高血圧です。

食事はカリウムを多めに取りましょう。

低カリウム血症で出るしびれ、

有痛性筋攣縮、筋力低下等の

神経筋症状についても説明しておきたいですね。

もちろん、高血圧の降圧指導もお忘れなく。