7 何か入った?!(耳・鼻・のどの異物)(1)
異物つながりで、
耳・鼻・のどの異物のおはなし開始です。
耳に「何か入った?!」からはじめましょう。
平和なのは水が入った場合。
ちょっと聞こえが変だな…とおもったら、
きれいなティッシュを少しよって
(こよりにする)少し中に入れてみましょう。
奥に入れすぎてはいけませんよ。
結構大変なのが虫が入った場合。
がさごそうるさいので、パニックになりがちですが…
出口がなくてびっくりしているのは虫だって同じです。
暗いところで、耳の外で懐中電灯
(スマホの画面やスマホのライトアプリ)を付けてあげましょう。
「出口見つけた!」と飛んでいってくれるはずです。
もし、出ていってくれなかったら。
自力で出そうとはせず、
耳鼻科にかかった方が安心です。
意外なほど大変なのがそれ以外の異物が入ったときです。
特に子供は何を耳の穴に入れるか分かりません。
豆、ガラス玉、おもちゃのブロック…
残念ながらそうそう取り出せるものではありません。
耳を痛がって、これらを入れたことが分かったなら
おとなしく耳鼻科に行きましょう。
豆は放っておくと水分を吸ってふくらみ、
外耳道を圧迫し、炎症のもとになりえます。
同じことが言えるのが、鼻に異物が入ったとき。
一応鼻水が出ますので、
耳よりは異物を取り出しやすくなっています。
でも、大きなものが詰まってしまうと
やっぱり耳鼻科に行かないと取り出せません。
子供が詰めてしまったら…
やっぱり耳鼻科にまっすぐ向かった方がよさそうです。
耳や鼻の異物はほんの少しだけ心に余裕があります。
大変でも「死にはしない」と分かっているからですね。
ところが、喉の「何か入った?!(何か詰まった?!)」は
生命のピンチにつながります。
だから予防こそが第一です。
のどに詰まりそうなものを不用意に置いておかない。
硬貨・ビー玉、ゴム風船等が分かりやすい要注意物品ですね。
食べ物だってのどに詰まります。
特定の季節に要注意のお餅を筆頭に、
いつも手元にあるガムや豆類(ピーナッツなど)は
不用意に飲み込むと詰まる危険が大ありです。
飴玉も舐めているときに
ふとしたショックで転がり落ちることがあります。
大きな飴玉は「危ないかも!」と思っておいてください。
運悪く、詰まってしまったら。
2人以上いたなら、
必ず1人が救急車を呼び、もう1人が応急対応です。
1人しかいなかったら…
最初の1回の応急対応でだめなら、すぐに救急車です。
何回もトライしていると、
脳に届く酸素がなくなってしまいます。
応急対応の方法としては、
意識があるなら口を大きく開けてもらい
見えるところにあるなら引っ張り出してください。
指を入れたショックで吐き出してくれれば、
それも結果オーライです。
すぐ異物が見えなかったら(もしくは1回目でとれなかったら)、
すぐに頭を低くして(腰を高くして)
背中をたたいてください。
肩甲骨の間辺りを、強くバンバン!です。
完全な平手ではなく、
少しお椀型にした方が振動が伝わって異物が落ちやすくなります。
背中に回って肋骨の下(横隔膜)に腕をまわし、
勢いよく押し上げる「ハイムリック法」でも
空気の圧力で詰まったものが出てくることがあります。
ハイムリック法は妊娠中や新生児、乳児には使えませんので、
そのときは背中をたたいてあげてください。
意識がない人には気道を確保して胸骨圧迫。
胸骨圧迫によって、
異物が押し出されてくることもありますからね。