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2 性感染症(STD)のおはなし(11)

性感染症のおはなしに戻ってきました。

…ただ今までと違い「性感染症の側面もある」病気、

カンジダ膣炎のおはなしです。

 

カンジダ菌は、膣内常在の真菌。

別に他人から「うつされる!」だけのものではありません。

消化管のどこにでもいると思ってください。

膣内の状態が変化すると、異常に増えて膣炎を引き起こします。

原因は糖尿病や抗生物質のような病気・薬によるものもありますが、

妊娠出産、疲労やストレス・高温多湿でもおこります。

 

とても強いかゆみと痛み(疼痛)。

カッテージチーズのようなぽそぽそした帯下(おりもの)が特徴なので、

すぐに分かるはず。

パートナーに元気なカンジダを感染させると、

男性でも不快感(かゆみ)と発赤等が出てしまいます。

 

何よりも不快ですから、ちゃんと治しましょう。

薬を指示通りに使用すれば、問題なく治ります。

「膣錠」なので、

使用中は帯下性状変化による不快感・違和感はあります。

でも、カンジダ膣炎の症状よりはましなので、そこは我慢。

 

可能なら、かからないことにこしたことはありません。

ちょっとしたことで発生する以上、

ちょっとしたことに気を付けておけばいいのです。

免疫力が低下しないように、疲労やストレスをできるだけためない。

糖尿病にならないように、規則正しい生活。

運動も適度に取り入れ、食事も1日3食。

食事も内容をバランスよくとっていれば、

免疫に好影響を与える乳製品や野菜等も含まれているはずです。

 

あとは蒸れ(ムレ)の防止ですね。

「真菌」はカビの仲間ですから、湿気が大好きです。

下着は綿や絹の天然素材を。

締め付けないデザインのものを選び、

可能ならタイツやストッキングもお休みです。

 

意外とやってしまいがちなものが、

外陰部(や膣内)を洗いすぎてしまうこと。

清潔にする必要はありますが、

それでは常在菌までいなくなって菌叢バランスが崩れ、

さらにカンジダが増えやすくなってしまいます。

腸内の菌叢(フローラ)を思い出してください。

たくさんの菌がいて、

いわゆる「善玉菌」と「悪玉菌」がいましたね。

もちろん普段ヒトに善いことも悪いこともしない日和見菌もいます。

それらの菌が「みんないる」のが正常です。

悪玉菌を取り除こうと「殺菌!」してしまったら、

善玉菌もいなくなるか、

いても元気を出せない状態になってしまいます。

「菌!」と見て、すぐに拒否反応を起こしてはいけませんよ。