7 何か入った?!(耳・鼻・のどの異物)(2):誤嚥
「何か入った?!」の結果は、
喉に詰まるだけではありません。
間違って飲み込んだ…「誤嚥」も含まれます。
正常な大人なら、
多少のことならむせて押し出してしまいますので誤嚥は少ないはず。
正常ではない状態での誤嚥性肺炎が怖いですね。
むせて押し出しきれない量の誤嚥や、
うまくむせることができないと肺に食べ物等が入ってしまいます。
いつものことですが、
誤嚥が起きないように予防が第一。
食事に集中する、
姿勢を正しくする(座位前傾もしくは臥位で横向き)、
食べやすい状態に加工する…等々。
口腔衛生の重要性は、
誤嚥してしまった「後」に影響が出てきますからね。
小児や認知状態が低下している人では、
飲食物以外の誤嚥も怖いですね。
洗濯用洗剤や食器用洗剤のキューブは、
そうと知らないとゼリーやグミ・ラムネのように見えます。
タバコの吸い殻をジュース等の空き缶に入れたら、
外側からは飲みかけのジュースか否か分かりません。
「そんなの口に入れたら分かるでしょ?!」と思いますが、
そこが不十分なのが小児や認知状態低下です。
意識があるなら、吐けるなら吐いてもらってください。
水を飲んでもらいつつ吐くと、
食道や口腔内被害を最小限に抑え、
吐けなくても影響を和らげることができます。
意識がない、吐けないときには
気道を確保しつつ救急車です。
意識がなくても嘔吐反射は出ます。
喉に嘔吐物を詰まらせないように、
姿勢と頭の高さには注意しましょうね。
横向きになって(側臥位)、下向き気味に頭を向け、
完全に倒れてしまわないように上側の手と足を曲げて支えましょう。
抱き枕を抱えているようなイメージ…
この「シムスの体位(回復体位)」をとれたなら、一安心です。
もしほんの少し余裕があるなら、
吐いたものをビニール袋に入れておきましょう。
病院に行くときにこれがあると
原因を早く突き止め、適切な対処を早く取れることになります。
でも、この作業はできなくてもかまいません。
それよりも吐いてもらい(もしくは気道確保して)、
救急車を呼ぶことがはるかに優先です。