8 うっ!(ショック各種)(2):感電
ショック状態を引き起こすものの1つ、
感電についておはなしします。
最初に注意。
感電と分かったら、
助けに入る人は最大限の注意を払ってください。
助けに入った人が感電しては、
助かる命も助からなくなります。
最初にすることは、
「電源を切ること」です。
感電原因の多くは電気機器とコンセントです。
まずはそれらの電源を、乾いた手で切ってください。
濡れた手では、あなたまで感電してしまいます。
少し厚目のゴム手袋を準備できれば安心です。
水回りには(普段使う予定がなくても)
ゴム手袋を用意しておくとなにかと便利ですよ。
電源を切る(コンセントを外す)ことができたら、
次は感電者を電源から遠ざけてあげましょう。
ゴム手袋を付けたまま、
可能なら棒等で電源を遠のける
(場合によっては感電者を引き寄せる)ことが必要です。
ここまでできたら、救急車を呼んでください。
ゴム手袋等の準備がなくて手間取りそうなら、
最初に救急車を呼んでしまってもかまいません。
おそらく、感電者は(少なくとも一瞬は)
心臓停止と呼吸停止になっているはずです。
…理由は、分かりますよね。
心臓は刺激伝導系からの刺激による心筋の収縮で動いています。
そこに刺激伝導系からよりも強い電気が流れてしまったら、
心臓の筋肉はそのショックで強く収縮して…
刺激伝導系自体が、電気をうまく作れなくなってしまいます。
これでは心臓がうごきません。
神経細胞の命令に従って動いている呼吸筋も同じです。
神経細胞が強い電気にショックを受け、
それ以降筋肉に命令を伝えなければ、
呼吸だって止まってしまいます。
家庭内の事故ならまだ何とかできる余地はありますが。
凧あげ等の電線による感電や、
落雷による感電は手に負えません。
電線の感電は電力会社にすぐに連絡です。
落雷のときは電気は通り過ぎた後ですから、
すぐに救急車と人工呼吸・心マッサージです。
もっとも、本当に雷が直撃してしまったら、
脳細胞もあっという間に働かなくなり、
残念ながら即死状態です。
でももしかしたら吹き飛ばされただけかもしれませんし、
恐怖によるショックで済んでいるかもしれません。
だから安全なところで、
人工呼吸と心マッサージはあきらめないで続けてくださいね。