3 総論:侵入経路(6)顕性・不顕性感染

「『知らず知らずのうちに感染』なんてあり得るの?」と思った人、

いますよね。

微生物が体の中に入り込んで、

いきなり不具合が出てきたら「顕性感染」。

食べたらいきなり痛みが出るアニサキス(寄生虫)や、

半日ぐらいで下痢が止まらなくなるノロウイルスなどが

イメージしやすいですね。

 

そしてノロウイルスの症状が出るまでの「半日ぐらい」は「潜伏期間」。

ウイルスの基本理解で、

ウイルスは細胞に入り込まないと増えられないことを勉強しましたね。

「ヒトの細胞に入り込んで、

せっせと複製に励んでいる」のが潜伏期間です。

そして「よっしゃ増えた!もっと広がる!」と細胞から出てきて、

症状が出てくると「遅発性感染」。

あとは腸管からいなくなるまでずっと症状が出続ける

「持続性感染」になります。

 

でも、症状が出てくれる顕性感染ばかりではありません。

先程出てきたサイトメガロウイルスは、

「妊娠初期に初感染

(もしくは感染後のウイルス活性化)!」だと大問題になります。

でも乳幼児期に感染したときには

症状が出てきません(「不顕性感染」)。

症状が出なくとも、

他人に移さないとは限りませんので、要注意ですよ。

サイトメガロウイルスの主な感染は、

保育園等の子ども同士の接触感染。

不顕性感染のままでウイルスがどんどん移っていく状態です。

 

あと、覚えておいてほしいのは「無症候性保菌(者)」という言葉。

微生物に体の中に入り込まれて、発症したとします。

その後症状が治まったとき…

免疫の働きによって微生物が体の中からいなくなった可能性があります。

これが本来の「治った!」ですね。

でも「今悪さをしていないだけで、まだ体の中にいる」こともあります。

これが「無症候性保菌(者)」です。

例えば、水ぼうそう(水痘)にかかったとします。

赤いかゆみのある発疹からスタートして、

水膨れ、膿疱へと変わっていきます(顕性感染)。

この間、飛沫かつ接触(特に水膨れ)感染しますので学校等は出席停止。

発疹が全て痂皮化(乾いた状態:かさぶた)になれば、

出席停止は解除になりますが…。

まだ体の中に水痘ウイルスが残っています(無症候性保菌状態)。

極度の疲労、他の病気にかかる、

ストレスがたまる等の体調変化により、

急に体の表面が帯のように痛痒くなった(帯状疱疹)ら、

それは水痘ウイルスが暴れ出した証拠。

水痘ウイルスは帯状疱疹を引き起こしますので、

「水痘・帯状疱疹ウイルス」とも呼ぶのはこのためです。