6 総論:個人(?)レベルの侵入を減らす方法(8)

同様に必要になってくるのが

マスク・ゴーグル・フェイスマスクやガウン。

「移らぬように」「移さぬように」を、

飛沫感染から考えればすぐ理解できます。

結核菌には「N95マスク(特殊マスク)」が必要になることには注意。

結核菌(飛沫核感染)のような

極小粒を95%通さないマスクが、N95マスクです。

飛沫核感染(病原体本体)と消毒薬に対する強さ、

感染力の強さをちゃんと思い出してくださいね。

脱着方法など具体的手法は基礎看護等の実習で!

日常のマスクでも飛沫を防ぐために「隙間なく覆う」意識をお忘れなく!

 

あと、とっさのことで忘れてしまいがちなのが蘇生術のとき。

呼吸停止時の蘇生術(人工呼吸)を行うときには、

しっかりとプリコーションしないと危険です。

病棟の救急カート(エマージェンシーカート)には、

人工呼吸器や蘇生用のバッグマスクが必ず入っています。

相手の粘膜や分泌物に触れずに、

しっかりと気道を確保して蘇生術を行ってください。

気道を確保しつつ蘇生用バッグマスクを隙間なく顔に密着させるのは、

いきなり1人でやるには難しいと思います。

最初は複数人で役割分担をして確認をし、

それから1人で(片手でも)できるように練習してみてください。

病棟以外でもプリコーションが必要なことに変わりはありません。

もしものときに備えて、マウスピースを準備しておくといいですね。

災害時の非常持ち出し袋の中だけでなく、

普段使いのかばんにもキーホルダーとして付けておくと、

いざというときに安全に助けられる生命があるかもしれません。

 

結核菌がいる患者さんはもちろんですが、

他にも感染力の高い病原性微生物がいることが分かった患者さんは

隔離が必要になります。

可能なら専用の病院・病棟へ。

少なくとも大部屋から個室への「隔離」ですね。

患者さんを移動させるときには、

患者さんにマスクを付けてもらう必要があります。

そして患者さん周辺のリネン類や部屋・備品等は

常に清潔・消毒を心がけましょう。

病棟実習の朝の日課が

「患者さんへのあいさつと周辺環境整備」になる理由の1つは、

「患者さん周辺の清潔・消毒」という微生物学的要請です。

他にも理由はありますから、

そこは基礎はじめ各種看護学で勉強してくださいね。

リネン類(シーツやタオル等の繊維類)の基本消毒は、

80℃以上、10分以上の熱水消毒です。

特に0.1%の次亜塩素酸ナトリウムに30分漬ける(浸漬)こともありますね。

ウイルス性嘔吐下痢症(ノロウイルスやロタウイルス)に

効く消毒薬を思い出してください。

 

医療器具は滅菌してあるものなので、無菌操作が必要になります。

空気中にも微生物がいますから(飛沫核の存在を思い出して!)、

「必要最低限しか開けない・触らない」が基本です。

そして患者さんに使った後こそ、最も注意が必要な瞬間になります。

使用後の医療器具は、「感染性廃棄物」に変わるからですね。