11 精神のおはなし(3)3大欲求障害、時期・段階に特徴的な障害(5)

性機能不全というのは、

適切な性的刺激があるにも関わらず、

性反応の一部又は全体において、

主観的な快楽・欲求、身体の反応に

障害が生じている状態です。

身体的要因と精神的要因のどちらからも

(相乗的にも)生じますが、

他の原因でも起こりえますよ。

各種薬物の存在や、

手術等による膀胱直腸障害等のこと、

思い出せましたか?

身体的要因には加齢や糖尿病、

心理的要因には性的虐待体験や

パートナーとの関係性悪化等が含まれます。

 

性反応の段階によって出てくる障害を整理してみましょう。

まず、相手に性欲を感じるか否かの「性欲相」。

そもそも性的接触の全てに

恐怖、不安、否定的感情をもつ「性嫌悪障害」、

本人に苦痛が感じられるレベルに性欲が生じない

「性的欲求低下障害」がここに入ります。

 

次に副交感神経系が優位になり、

性器の充血・膨張が見られる「興奮相」。

自慰や別の相手だと正常なのに勃起不全や持続困難が起こる

「(男性の)勃起障害(インポテンツ)」、

加齢やエストロゲン減少等による膣乾燥や潤滑不全の生じる

「(女性の)性的興奮障害」が入りますね。

 

そして交感神経系優位になり、

筋収縮と快感の生じる「オルガズム相」。

男性だと射精障害や遅漏、

女性では快感に達しないか非常に遅れる「オルガズム障害」。

双方が性交を楽しむほど

十分にコントロールする能力がないために、

膣への挿入前や挿入時・挿入直後に射精してしまう

「早漏」がここに含まれます。

他にも性交疼痛症や膣けいれんの出る女性もいます。

性交疼痛症は性交中、あるいはその後に

繰り返しもしくは持続的に生じる性器疼痛。

膣けいれんは膣を囲む骨盤底筋群の

不随意的な条件反射性攣縮によって、

膣が閉鎖してしまうもの。

挿入は不可能もしくは激しい痛みを伴うことになります。

 

原因が明らかで、心理的要因以外なら、

その治療が性機能不全の治療です。

原因が心理的要因なら、

原則として非薬物療法(精神療法、認知行動療法)になります。

膣用潤滑剤等の薬剤も使用しますが、

あくまで補助ですよ。

「勃起障害改善薬は、低血圧発作に注意」の理由は、

ちゃんと分かりますよね?

忘れている人は下部消化器系と生殖器系のところを

見直しておきましょう。