12 末梢神経のおはなし(1)末梢神経一般・視覚(1)

最終ブロックは末梢神経系のおはなしです。

末梢神経は中枢に情報を伝える感覚神経と、

中枢からの命令を筋肉に伝える

運動神経に分かれています。

一見呼吸とは関係なさそうですが…。

機械・化学受容体からの情報を

中枢に届ける役目があることと、

呼吸筋の存在を思い出せば、

末梢神経も呼吸と無関係ではありません。

そして感覚神経のおはなしである以上、

ヒトの感覚の中で大事な五感(五覚)も

おはなしする必要がありますね。

五感(視・聴・嗅・味・触)のうち、

味覚は上部消化器系で、

嗅覚は呼吸器系の「通り道」で

簡単におはなし済み。

ここでは視覚・聴覚・触覚のおはなしです。

触覚は体表皮膚のみならず

粘膜や関節、各器官からも得られる情報ですが、

ここでは「皮膚」に注目して、

そこの異常をおはなししていきますね。

 

1 末梢神経系一般の異常

末梢神経の「変!」の始まりは、

運動神経・感覚神経双方に影響が出る

「末梢神経障害」と「神経炎」から。

 

末梢神経が障害される原因は多岐にわたります。

多すぎて、全てをおはなしすることはできません。

だからここでは、

原因の分かりやすい「圧迫性(絞扼性)」と、

今までの復習にちょうどいい「糖尿病性」。

脳神経支配領域の理解のため出やすい

「末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)」と、

自己免疫疾患の側面を有する

「ギランバレー症候群」についておはなししますね。

 

(1)末梢神経障害

末梢神経障害のことを「ニューロパチー」と呼びます。

周囲からの圧迫によって

局所的に末梢神経性の機能障害が起こるものが、

「圧迫性ニューロパチー」です。

一過性のものは、

体験したことがあるかもしれません。

例えば、腕枕で熟睡すると、

起きた後に腕がしびれて動かなくなります。

これ、上肢の橈骨神経障害。

立派な圧迫性ニューロパチー(末梢神経障害)です。

 

上肢では、腕神経叢が胸郭入り口部分で圧迫を受けると

「胸郭出口症候群」。

手首屈側の正中神経が、手根管で圧迫を受けると

「手根部正中神経障害(手根管症候群)」ですね。

手根管症候群は中年以降の女性に起こりやすい、

夜間・早朝の手のしびれ・痛みとして出てきます。

妊娠後期や甲状腺機能低下症、

糖尿病や関節リウマチでも、

寒いときに発症しやすいですよ。