3 循環器系のおはなし(5)

今回は心電図の正常と異常を理解しましょう。

 

まず、正常な心電図

PからT波(U波があることも)が見えますね。

この形、しっかり覚えてください。

小さな山がP、大きな鋭い山の始まりがQ、山の頂点がR。

鋭い山の終わりがS、なだらかな丘がTです。

Uがあるときは、すこしくぼみになっています。

この形を示していれば

「心臓(左心室)がうまく血液を全身に送り出せているよ」ということです。

 

では異常な心電図も見ていきましょう。

大事なことは「これはヤバい!」という心電図に気付くことです。

細かい話は勉強が進んでからで十分です。

まずは生命に直結する心電図を確認しますよ。

 

一番わかりやすいのは「心停止」の心電図。

ドラマや映画でよくある「ご臨終です…」の心電図ですね。

波、ありませんね。

これは心臓(の筋肉)が電気を伝えていない…動いていない状態です。

 

放っておくと心臓止まっちゃうよ!という心電図を2つ紹介します。

1つ目が心室細動(VF)

ピクピク動いてはいますが、正常な波の形をしていませんね。

これは電気刺激はあるけど、左心室の筋肉がまとまって動けていないよ!という状態。

まとまって動いてくれないとポンプとしての役割を果たせませんから、

このままでは全身の細胞は酸素不足になってしまいます!

 

2つ目は無脈性心室頻拍(PVT)

幾分大きな波はありますが、心臓の拍動が早くなっています。

心臓の拍動が早すぎると、私たちは脈として感知できません。

脈は、心臓の弁が閉まることで生まれます。

弁が弁として機能していないということは…

これまた血液が全身をうまく巡れていないということ。

実際、血圧が下がってショック状態になっていることが多いはず。

 

これらのときには、AEDの出番です。

公共機関にはおそらく備え付けられていると思います。

AEDが必要な状態か否かは、AED自体が判断してくれます。

AEDは、大きな電気ショックを与えて心臓の電気状態を一度リセットする機械。

リセットをかけて、

刺激伝導系が正常な電気刺激を発生できるようになることを期待しているのです。

 

では、AEDに「対応外です」と言われてしまったらどうするか。

例えば、無脈静電気活動(PEA)はAED対応外です。

これは波があって脈は取れない点で無脈性心室頻拍と同じなのに、

AEDでは治せないよ、という状態です。

こんなときには心肺蘇生法(CPR)

気道確保(Airway)、人工呼吸(Breathing)、

胸骨圧迫心マッサージ(Circulation)ですね。

免許教習で一通りは耳にする救急救命の基礎ですよ。

次回も異常な心電図の続きです。