9 呼吸器系のおはなし(1)通り道と赤血球(6)

(3)気管支喘息

「気管支喘息」は

アレルギー疾患としての側面もありますね。

可逆性の気道閉塞によって起こる、

発作性の喘鳴(ぜんめい)・

咳嗽(がいそう:「せき」)・呼吸困難が特徴です。

 

「喘鳴」というのは、呼吸に伴って聴き取れる

「ヒューヒュー」や「ぜいぜい」という音。

気道がいろいろな原因で狭窄・不完全閉塞を起こしたため、

空気の流れが乱れ(乱流)、振動しているのです。

 

気管支喘息はIg-Eが出る小児に多いアトピー型と、

Ig-Eの出ない成人に多い非アトピー型があります。

そして遺伝的要因と

各種の環境因子が重なり合って発症します。

白血球間の情報伝達物質(サイトカイン)が

たくさん出ていることは分かっていますが、

詳細なメカニズムは研究中です。

 

主症状は夜から早朝に起こる、

発作性の咳、喘鳴、息切れ。

苦しいけど、横にはなれるのが小発作。

横にはなれなくて、

会話とトイレ歩行がぎりぎり可能な中発作。

チアノーゼが出て汗をかき、

起坐呼吸で何とか…だと大発作です。

 

大発作が続いてしまうと、

酸素欠乏が原因で不整脈や意識障害も出てきます。

これに咳による失神・肋骨骨折、無気肺や

皮下気腫、縦郭気腫まで合併してしまうと大変!

薬物療法が、どうしても必要になってきます。

しかもこの薬は「悪いものをやっつける!」ではなく、

「うまく付き合っていく」ためのお薬です。

抗アレルギー薬、ステロイド薬、

ロイコトリエン拮抗薬などは長期管理薬。

重症度合いによって、

頻度や種類、用量がかわります(段階的薬剤投与)。

「苦しい!(急性増悪・発作時)」用の薬は乱用禁止。

気管支を広げて酸素を取り入れるための

β2刺激薬等が使われますが、

炎症を抑えるものではありませんからね。

 

原因(アレルゲン)が分かるなら、

それを避けましょう。

もちろん、タバコなんてもってのほかですよ。

発作以後の来院時は

ぎりぎりの酸素状態でたどり着いた可能性がありますから、

車いすと酸素ボンベの準備も忘れずに。

重症発作時では

脱水予防のために水分供給準備もしておきましょう。

小児では成人前に5~7割が

治る(もしくはほぼ無症状)になります。

成人では早期介入しない限り、

自然寛解は望めませんよ。