2 「健康」とは:(4)「ヒトとしてよく生きる」ために(3)
以上、「生きる(と死)」の観点から、
マズローの基本欲求を一緒に見てきました。
生死の観点から一部統計資料も確認できましたし、
これから各分野で勉強しなくてはならない内容も目に出来たはずです。
マズローの基本欲求のうち、特に下の方が欠けていると大問題です。
だから「欠けて困っているものはないか」を
確認するためのチェックリストになりうるのが、看護理論です。
だけど注意。
目の前の人に、常にすべての看護理論が当てはまるわけではありません。
そのときどきに、使える理論と使えない理論があります。
ここは基礎看護で勉強してくださいね。
そして「欠けて困っているところはないか」、
「どうすればもっとよく生きられるか」を確認し、
欠けを埋めていく練習が、各領域の看護実習になります。
「欠けて困っているところが分かっても…どうしようもないんだけれど…」
とてもよくあることです。
看護師(医療職全体と広げても)に出来ることには、限界があります。
特にノーマライゼーションの分野については、
個人だけではなく「公(おおやけ)」の手助けが必要不可欠。
でも「公」は「特定の1人」を助けるための存在ではありません。
「みんな」を助けるための存在です。
どうすれば「みんな」のためになるか、
どこにどれくらいの資金と人を投入するか。
しっかり検討した後でないと動くことはできないのです。
…どうやら、もうそろそろ「法制・行政」の頃合いですね。
衛生統計よりも普段聞きなれない言葉なので、
最初は「ギョッ!」とするかもしれません。
でも中身は「…そんなの当たり前でしょ?」と言いたくなるようなものばかりです。
毎日の生活の「当たり前」は、
こうやって裏で守られているんだよ(こういうルールなんだよ)…。
これからのおはなしは、
当たり前すぎて気にもしなかったところ(裏方さん)に
スポットライトをあてるおはなしですからね!