8 下部消化器系・生殖器系のおはなし(2)大腸(3)

潰瘍性大腸炎は、

大腸の粘膜と粘膜下層がおかしくなってしまう炎症性疾患。

ピークは10代後半から30代前半です。

慢性疾患なので、がん化も頭に入れておく必要があります。

症状は下痢(含む血性下痢)、

血便(含む粘血便)がスタート。

重症化すると腹痛、発熱、貧血、体重減少を経て、

大出血、穿孔の危険です。

さらに肝臓・胆嚢・膵臓や関節、

目にも症状が出てくることがあります。

こちらも重症度合いやステロイド等の薬で

落ち着かないなら手術ですが、

小腸とのつなぎ目に炎症が起きやすく(回腸嚢炎)、

水分吸収の場が減ることで排便回数が増え、

QOLが下がりうることを考えると、

できれば選びたくない方法です。

 

やっぱり、食事療法(栄養補給)が一番です。

食事の注意点はクローン病と同じですよ。

生活に無理(「過度の~」)は禁物。

風邪や痛み止めといった薬も、再燃のきっかけになります。

 

クローン病も潰瘍性大腸炎も、指定難病でしたね。

 

ソーシャルワーカーはじめ、

多職種を交えて公的支援へのつながりも援助してくださいね。

 

C 虚血性腸炎、薬剤性腸炎

原因が分かりやすい腸炎ということで、

虚血性腸炎と薬剤性腸炎のおはなしもしておきましょう。

虚血性腸炎というのは、

腸に栄養と酸素を運ぶ(栄養血管)腸間膜動脈

(と腸間膜静脈)の血流障害による、

びらん、出血、潰瘍等の粘膜症状のこと。

吻合が少ない、下腸間膜動脈担当の

下行結腸・S状結腸・直腸で起きやすいですね。

中高年に多く、

高血圧や糖尿病といった動脈硬化性疾患や

慢性便秘等による腸管内圧上昇で起きやすくなります。

 

突然の腹痛、下痢、血便が出ますが、

普通なら数日で症状が消えて自然治癒するはずです。

数日間は絶食して、補液をしつつ、腸管を安静に。

腹部症状が消えたら、流動食から食事再開ですよ。

いくら数日で治るとはいえ、

そのままの生活では再発の恐れがあります。

基礎疾患があれば、その治療が一番ですね。

再発予防には、便秘予防も役立ちます。

適度な運動と水分、食生活は繊維を多めに。

毎朝便意がなくとも

トイレに行く排便習慣も付けましょうね。

 

薬剤性腸炎は薬のせいで腸が炎症を起こしたもの。

下痢、腹痛、血便が出ることが多いですね。

原因となる薬にはいろいろありますが、

よく使われる痛み止め(NSAIDs)でも起こりえます。

腸粘膜の再生障害から、

消化管のびらん性(又は潰瘍性)腸炎発生です。

そうと分かったなら、とにかく薬はストップ。

放置すると穿孔して、腹膜炎の危険がありますからね!