3 脈拍・血圧のおはなし(2):血管(ショック3)

(おまけ:ショックの基準)

ここで、ショックの基準を確認しましょう。

「①血圧低下かつ②小項目のうち3つ」をみたすと「ショック」です。

 

①の血圧低下は、収縮期血圧が90mmHg以下になってしまうこと。

普段が高血圧で150mmHg以上の人では、

90mmHg以上血圧が下がったら「①血圧低下」にあたります。

 

②の小項目を書き出してみると。

「皮膚の蒼白・冷感(もしくは39℃以上の熱)」、

「爪先のリフィリングに2秒以上」、

「100回/分以上の頻脈・微弱脈」、

「意識障害・不穏・興奮」、

「JCSが2桁以上かGCSが10以下」、

「体重1kg当たり、1時間に0.5ミリリットル以下の乏尿・無尿」です。

 

これらは先程まで見ていた

出血量(全体循環に対する喪失割合)に当てはめていくと…

そのまんまですね。

「39℃以上の熱」は、出血原因ではなく

「4、血液分布異常性」の原因の1つ、感染に対する項目です。

 

爪先のリフィリングというのは、5秒間爪先を押さえた後、

白(圧迫されて血流不足)から赤(血行再開)に変わること。

これに2秒以上かかるようでは、

末梢に血液が届きにくくなっている証拠です。

 

JCS、GCSは意識覚醒レベルの指標ですね。

JCS(Japan Coma Scale:3-3-9度式)は、

意識レベルを確認するときに

「チェックして、3つ(3種類)に分かれる」を2回繰り返します。

3種類と3種類なので、9通りに分けられますね。

第1チェックは、覚醒している(目を開けている)かです。

覚醒なら1桁、刺激すると覚醒する(目を開ける)なら2桁、

刺激しても覚醒しないなら3桁です。

だから「JCS2桁以上」だと、

刺激しないと目をあけてくれない

(又は刺激しても目をあけてくれない)状態ですね。

 

GCS(Glasgow Coma Scale)では

開眼機能と言語反応と運動反応を見ます。

こちらは15点満点のうち、

点数が多いほど意識がはっきりしている状態です。

目を開けていれば4点、会話成立で少なくとも4点、

痛み刺激に何らかの反応があれば2点以上で、

これなら10点を超えますね。

だから「GCS10点以下」だと「変だ…」と分かるはずです。

 

小項目を並べただけでは頭が痛くなりますが、

ショックの症状と照らし合わせていけば

「なるほど…」と思ってもらえるはずです。

 

脈と血圧に反映される病気についておはなししてきました。

「たかが脈と血圧」ではありませんよね。

バイタルチェックで

「脈と血圧」を測る意味が分かってくれたはずです。

体の中で何か起こったときに、

すぐに中を見ることができれば簡単ですが…

機械ならまだしも、ヒトではそれは無理。

そんなとき、体を傷つけることなく(非侵襲的に)

中で起こっていることを反映してくれるのがバイタルサイン。

 

もちろん測り方の手技や患者さんに対する各種配慮は大事ですよ。

だけど、大前提にある「ここから、何が分かるのかな?

これが変だと、何が起こっている可能性があるのかな?」

この重要性は、忘れないでくださいね。

次回からは、「体温」に関係するおはなしです。