2 「健康」とは:(2)「よく生きる」ために[補足4]

2019年11月20日

運動の効果の続き。

「生活機能低下防止」のおはなしですね。

 

生活の質(QOL)を維持するためには、

日常生活における動作をこなせる身体機能が必要不可欠!

自力でベッドから起き上がれて、トイレに行って用を足せますか?

椅子に座って出された食事を口に運び、飲み込めますか?

1人で入浴して(浴槽のふちをまたぎ、椅子に腰かけて全身を洗い)、

着替えることができますか?

 

今の皆さんにとっては「当たり前!」のことが、

骨と筋肉が衰えるとどんどんできなくなっていきます。

骨と筋肉にとって、運動はその量を増やし・維持するために必要な

「適度なストレス(刺激)」です。

 

適度な刺激を与えることで骨代謝は正常に行われ、

筋細胞は収縮力が維持され(ときには増加し)ます。

骨や筋肉の「量維持・低下予防」に注目するなら、

「1日10分、より長く歩く」でも意味があります。

 

ただ「向上」を目指すなら、

「1回あたり30分以上の運動を、週2回以上(4メッツを1時間/1週間当たり)」

が目安になりますので、少々敷居が高くなりますね。

 

健康と運動の話をすると「メッツ」という単位が出てきます。

これは運動の強さを示す単位で、

安静にしているときを「1」として、何倍のエネルギーを消費するか…というもの。

 

残念ながらまだ一般的ではないので、

慣れるまではイメージしにくい単位ですね。

大まかには座って1メッツ、立って2メッツ、歩いて3メッツ。

やや速歩で4メッツ、かなり速歩で5メッツです。

 

もう少しイメージしやすいものに、

脈拍と自覚状態を使う「自覚的運動強度(Borg指数)」があります。

例えば糖尿病・高血圧・動脈硬化(脂質異常症)のある人の運動では

「きついと感じない程度(ジョギングが6メッツ、それ未満)の運動を、

30分以上、週3回以上が効果的」としていますね。

厚生労働省(糖尿病対策と運動)

厚生労働省(高血圧対策と運動)

厚生労働省(脂質異常症対策と運動)

 

脈拍数になおすと(年代によってかなり幅が出ますが)

20代なら170回/分、60代なら135回/分が目標値。

ここに近づきつつ、超えないくらい…

ゆっくりとジョギング、かなり速歩、のんびり水泳をイメージしてください。

 

もちろん、足腰に問題があっても運動はできますよ。

真面目にラジオ体操第1をこなせれば、それだけで4メッツの運動です。

椅子に座った真面目なラジオ体操第1も、2.8メッツになります。

これを毎日の習慣にすれば、

「やや速歩(椅子に座っているときには「歩いて」)」で10分運動したのと

ほぼ同じ運動量になります。

 

「今さら…」と思わず、真面目にラジオ体操をしてみましょう。

上半身の筋肉にもまんべんなく刺激を与えることのできる、良質の運動です。

意外なほど体のあちこちに効いていることが分かるはずです。

 

運動とヒトとの関連性はこれだけにとどまりません。

運動による疲労回復に伴い、安眠・ストレス解消にも役立ちます。

 

骨や筋肉のところでも出てきた言葉「ストレス」。

ちょっと確認しておきましょうか。

次回の補足は「ストレス」についてです。