2 「健康」とは:(3)「ヒトとして生きる」ために[補足5]

2019年11月20日

「補足2(運動)」のおはなしでもでてきた、

日常生活でも良く使われる「ストレス」という言葉。

もう少しだけ、詳しく見てみましょうか。

 

ハンス・セリエさんの提唱したストレス学説によると。

ストレスの原因になる各種刺激・欲求は「ストレッサー」といいます。

「身近な人やペットの死」のように悲しい出来事だけでなく、

一見嬉しいこと(レギュラーに選ばれた、昇進した等)も

ストレッサーになりえます。

生活環境などの外的刺激だけでなく、

強い不安といった内的刺激もストレッサーです。

 

これらストレッサーに対して、認知的評価、対処能力といった個性をはさみ、

ストレッサーに応じようとする体の緊張状態(ストレイン)・反応が

「ストレス反応」です。

身体面のみならず、心理面・行動面にも影響が出てくることになります。

 

体内で起こっている変化を確認してみましょうか。

主に働くのは自律神経系の交感神経系です。

 

ストレッサーがあると、

身体はこれを受けて衝撃(ショック)を受けます[ショック相]。

身体各種の反応(免疫反応等)が一瞬全体的に低下した状態になりますよ。

 

このままではストレッサーに押しつぶされてしまうといけないので…

「闘争か逃走か」に代表される交感神経系が働き、

副腎髄質からアドレナリンが分泌されます[抗ショック相]。

ここまでが「警告反応期」です。

 

ストレッサーから逃走できれば、ストレス反応は終了。

元の生活に戻ります。

ストレッサーと闘うことになったとき、糖質(グルコ)コルチコイドも分泌され、

全身の各種抵抗力が高まった状態が維持されます。

[抵抗期]と呼ばれる状態です。

 

でも、抵抗期は(個人差はあるものの)1週間から10日ぐらいしか続きません。

その間にストレッサーを解消できないと、

全身の抵抗力がガクンと下がってしまいます。

これが[疲弊期]。

こうなってしまうと気分が滅入り、病気にかかりやすい状態になってしまいます。

 

以上が、交感神経系とそこから命令を受ける内分泌系が主に働く

ストレス反応の概論です。

 

だから「運動が骨や筋肉に与えるストレス」というのは、

本当は「運動が骨や筋肉に与える外的刺激」のこと。

「刺激に抵抗するために、骨量や筋肉量が増えて、

ストレッサーを解消していく…」という過程が繰り返されて、

筋骨量維持と増加につながっていくのです。

 

次回は、「運動とストレス解消」についてみていきましょう。