2 「健康」とは:(1)「生きる」ために(8)

40歳から49歳の死因は、

1位ががん、2位が自殺、3位が心疾患。

40歳以降は、がんが死因の1位で固定されます。

 

がんについては、1歳から4歳までのところで

「死亡数」と「5年相対生存率」の説明をしました。

ここで、罹患数(罹患率)と有病数(有病率)をおはなししておきましょう。

 

まず、新たにがんと診断された人の数が罹患数。

罹患「率」と呼ぶときには、

「人口何人当たり、何人が新たにがんと診断されたか」の割合を見ることになります。

例えば人口10万人あたりの罹患率だと、

「人口10万人対」とどこかに書いてあるはずです。

 

具体的に確認していきましょう。

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

2014年の全年齢がん罹患数は、男性が501,527人、女性が356,881人。

罹患率に直すと、人口10万人当たり男性が810.6、女性が558になります。

 

部位別に罹患数を確認すると、

1位大腸がん、2位胃がん、3位肺がん。4位が乳がん、5位が前立腺がんです。

大腸を直腸と結腸に分けると、

1位が胃がん、2位が肺がん、3位が結腸がんで、直腸がんは6位になります。

 

全般的に、男性の方が(共通部位の)罹患率が高い傾向にあります。

消化器系(口腔・咽頭、食道、胃、大腸に加え肝臓、胆嚢、膵臓)、

呼吸器系(喉頭、肺)、

泌尿器系(膀胱、腎臓など)では「特に女性より高い罹患率」です。

 

人口10万人あたりの罹患率に直したとき、

罹患率が100を超えているものは

男性では胃がん(140)、肺がんと大腸がん(どちらも124)、前立腺がん(119)。

女性では100を超えるのは乳がん(116)だけです。

 

「罹患率が100を超えるものだけに注目すると、

肺がんは5年相対生存率が低いから命を落としやすい…。

あれ? 残りはそんなに死に直結しない?」

 

はい。

だから「生きてがんと共存状態!」の人がたくさんいます。

これが有病数(がん患者数)であり、有病率(がんにかかっている人の割合)です。

 

よく保険会社等の宣伝文句に出てくる

「がんは2人に1人はかかる病気です」の意味を見てみましょうか。

これは累積罹患リスクによるものです。

罹患する可能性(確率)を積み重ねて、

一定の年齢までに(どこかの)がんと診断される確率を出したものが

「累積罹患リスク」。

人生を80年と仮定して、そのうちにがんと診断を受ける確率は

男性で62%、女性で47%。

すごく大まかに見れば「2人に1人(約50%)はがんになる」といえますね。

 

…とはいえ、命をすぐに脅かすがんもあれば、

長く共存していくがんもあることを皆さんはすでに理解しています。

過剰に怖がらずに、正しい知識を付けて、予防に取り組む。

これは医療従事者の大事な第一歩ですからね!