6 各論1:脈・血圧(心臓):心筋梗塞・狭心症(1)抗血栓薬(1)

脈・血圧ブロックのスタートは、

心臓に働く薬からはじめましょう。

 

心臓が動くためには、

心筋に酸素と栄養が届くことが必要。

そして心筋の一部である刺激伝導系から、

正しく電気刺激(収縮命令)が届くことが必要ですね。

だから大前提になる血液が届かなくなりそう(狭心症)、

または届かなくなった(心筋梗塞)ときのお薬からスタート。

そのあとで、

電気刺激が変になっている(不整脈)のお薬と、

心臓がうまく働けていない(心不全)のときのお薬のおはなしです。

 

狭心症というのは、

心筋に血液を届ける血管が何らかの原因で狭くなってしまい、

その先の心筋が血液不足(酸素・栄養不足)に陥っているもの。

血管が「つまった!」になってしまうと、

血液(酸素も栄養分も)が届かずに、心筋が死んでしまいます。

これが心筋梗塞ですね。

心筋梗塞を起こして収縮できる心筋が減ってしまうと、

心臓の働きを十分に果たせない(心不全)可能性があります。

「つまった!」場所によっては、

いきなり生命の危険に陥ることもありますよ!

 

「つまった!」の原因にはいろいろなものがあります。

かさぶた(血の塊)が詰まれば血栓。

脂肪の塊が詰まれば脂肪塞栓ですね。

空気や細菌の固まりなども塞栓の原因になりますが、

一番多いのは「血栓」です。

だから血栓の予防薬・溶解薬が心筋梗塞のお薬になるのです。

 

血栓予防薬・血栓溶解薬の名前は総論でも出てきましたね。

かさぶた(血栓)自体を作らせないために、

血小板凝集担当のトロンボキサンを作らせないアスピリン。

血液凝固因子がフィブリンになることを邪魔するために、

表面処理に関係するビタミンKと似た形をしたワーファリン。

血液凝固因子完成品一歩手前のフィブリノーゲンを

完成品フィブリンにする酵素トロンビンを邪魔するヘパリン。

できたかさぶた(血栓)を溶かす(線溶)きっかけになる、

プラスミノーゲンアクチベータ製剤のウロキナーゼがありました。

この4種類の薬は、どこに働いているのかを

イメージできるようにしておいてくださいね。

 

心筋梗塞は、胸腹部の痛みで気付くことが多いです。

心臓の血液不足で、

胸部(と季肋部)が痛くなることは、

位置関係を思い出せば納得できるはず。

でもそれ以外のところ(左肩や背中・首や下あご)に

痛みが出ることがあります。

不具合があるところ以外に出る痛みを、

「放散痛」と言いますね。

 

次回は、今回出た4つの薬の注意点を確認しますよ。