4 行政・制度:(3)欠点の改良(2)[補足11]

ここからは高齢者に注目して、公的医療保険を見直してみましょう。

公的医療保険の世界では、65歳からが「高齢者」。

特に75歳以上を「後期高齢者」と呼ぶときには、

65歳から74歳は「前期高齢者」になりますね。

 

「高齢者は有病率が高い」ことは、統計パートで確認しましたね。

それなのに公的医療保険開始時は、

高齢者には受診時の自己負担がありませんでした。

年齢別人口構成的にも、寿命的にも、

それで問題なく制度が動いていたのです。

 

しかしご存知の通り…社会は大きく変化しました。

生産年齢人口(15歳以上65歳未満:現役世代)が減り、

ストックとしてためる保険料の総額は減りました。

働き始める年齢の変化も、保険料総額減少に関係しますね。

かたや高齢者人口は増え、

ストックから支払う保険料の総額は増えていきました。

 

収入が減り、支出が増えて。

公的医療保険が

「うわっ!お金足りなくなっちゃうよ!」という状況に陥ったことは、

勉強してきた通りです。

 

そこで公的医療保険制度をパンクさせないために、

各種の見直しが始まりました。

「高齢者専用の、別の医療保険を作ろう!」

「高齢者にも、保険料と自己負担を払ってもらおう!」などですね。

 

ここで「高齢者専用の、別の医療保険」のおはなしスタート。

後期高齢者医療制度のおはなしです。

 

後期高齢者医療保険制度の内容を定めているのが、

「高齢者の医療確保に関する法律」。

この法律の「目的」の部分に、

見直さなくちゃいけなかった改善点が詰まっています。

「医療費適正化推進計画作成」、

「特定健康診断等実施に関する措置」。

そして「前期高齢者にかかる保険者間の費用負担の調整」、

「後期高齢者に対する適切な医療の給付」です。

 

医療費(の収支)が不適切な状態にあるから、

適正化するための計画を作らなきゃ!…はすぐ分かりますね。

 

特定健康診断というのは、

糖尿病その他政令で定める生活習慣病に関する健康診断のこと。

生活習慣病の影響が死因や有病率等にどのような影響を与えるかは、

衛生統計でも、ストレスに関するところでもおはなし済み。

「長生きする以上健康でいてよ!

受けっぱなしじゃなくて、自分の健康に責任をもって!

(審査結果通知と保健指導)」と定めています。

 

前期高齢者の保険者間費用負担については、

少々説明が必要になりますね。

公的医療保険の復習にもなりますので、

次回はそこからおはなしすることにしますよ。