3 循環器系のおはなし(10)

大動脈を胸部と腹部に分け、

頭と腕には腕頭動脈で血液を届けることができました。

続くは、胴体部分のおはなしですね。

 

なにはなくても覚えてほしいのが、

大動脈・大静脈からの直行便「腎動脈・腎静脈」

腎臓にはたくさんの血液が流れます。

それだけ「老廃物排出と水分調節は大事な仕事だ」ということです。

具体的内容は生化学の「14 尿と腎臓のおはなし」へ!

他の臓器へは上から

「腹腔動脈」「上腸間膜動脈」「下腸間膜動脈」が血液を届けます。

腹腔動脈は、胃と脾臓・肝臓に血液を届ける担当。

上腸間膜動脈は、膵臓・小腸と(大腸のうち)上行結腸と横行結腸前半担当。

下腸間膜動脈は、結腸の残りと直腸担当です。

これら動脈の担当分けは、臓器の位置関係を確認するのにいい機会です。

手持ちの資料を見ながら、

腹腔動脈・上腸間膜動脈・下腸間膜動脈の対応を頭に入れてくださいね。

 

…「大きな血管」の話をしながら、

気が付けば「大事な場所に行っている血管」の話にも入っていますね。

心臓、頭(脳)について再確認してみましょう。

 

心臓は全身に血液を送るところだから「大事な場所」ですね。

ところがそんな心臓に限って、動脈どうしの守備範囲に重なりがありません。

だから心臓で動脈が詰まると、いきなり心筋細胞がピンチになります。

そんな特段の重要性があるから、心臓に血液を送る動脈はよく質問されます。

位置関係から理解しましょうね。

 

左心室から出た大動脈は少し上に向かったあと、Uターンして下に向かいます。

このターン部分が弓のように見えるので「動脈弓」

左心室から出て上に行っている部分は「上行大動脈」

動脈弓でターンした後は下に行くので「下行大動脈」です。

上行大動脈の根本付近から、心臓に血液を送る冠状動脈が出ています。

冠のように心臓の上部を回っているので、冠状動脈です。

「右冠状動脈」と「左冠状動脈」が出ています。

右冠状動脈はそのまま下(心室)の方まで心臓を覆います。

左冠状動脈は、上(心房)を覆う「回旋枝」と、

下(心室)を覆う「前下行枝(前室間枝)」に分かれています。

…で、右と左に守備範囲の重なりはないし、

左でも上と下に守備範囲の重なりもありません。

だから、心臓の血管に異常が起こると大変なことになるのです。

 

普通は小さな動脈どうしに「吻合」というつながりがあります。

2つ以上の小さな血管が合流して、

片方の血液の通りが悪くなっても、

もう片方から血液を送れるようにしておくのです。

ところが、心臓の動脈に限ってはこの吻合がないのです。

だから心臓の動脈硬化が「心筋梗塞」につながりやすいのですね。