6 各論1:脈・血圧(心臓):不整脈・心不全(1)抗不整脈薬(2)

もう1つのナトリウム拮抗薬、

ジソピラミド(リスモダン)も確認しましょう。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048846

 

リスモダンは不整脈のうち期外収縮、頻拍、心房細動などに使う薬。

心房細動というのは、

心電図のP波が出ないため心房がうまく収縮できずプルプル震えている状態です。

1つの薬だけで対応するのは難しいので、

前におはなしした抗血栓薬や、後で出てくる強心薬も使いつつ、

必要に応じて外科的対応がとられるはずです。

 

「どうして抗血栓薬?」と思うかもしれません。

心房が十分に収縮できないと、血液の流れが滞り(とどこおり)ます。

血液が動かずに停止すると、止血(血栓)モードがスイッチオン!

「血栓ができて詰まってしまうと大変!」なことは、

心筋梗塞のところでおはなしした通りです。

だから「心房細動のときには、血栓対策!」ですからね。

 

なお、心室がプルプルする心室細動はAEDの対象。

心室がちゃんと血液を送り出せないと、即、生命の危険ですからね!

 

おはなしをリスモダンにもどして。

禁忌対象に「高度のブロック(刺激伝導系障害)」が含まれることと、

併用注意にセントジョーンズワートが含まれることは先程と同じです。

 

でも、禁忌対象が結構多いのがリスモダンの悲しいところ。

抗コリン作用があるので、

緑内障や尿貯留傾向にある人には禁忌。

緑内障と抗コリン作用については、前回おはなししたばかりですね。

また、心不全悪化の恐れがあるので、

うっ血性心不全の人も禁忌。

さらに抗生物質の一部を使っている人にも禁忌です。

これは併用によって「不整脈を整える」はずが、

別の不整脈を引き起こす可能性があるからです。

他にも併用注意の薬などがありますから…「使いにくい!」お薬ですね。

 

だから添付文書にも(リスモダンの適応は)

「他の抗不整脈薬が使用できないか、無効の場合」と書いてあるのです。

 

カルシウム、ナトリウムとくれば、

細胞電位に関係するもう1つのミネラル、カリウム。

カリウムチャネルを邪魔する薬(再分極遅延薬)もありますが…。

カリウムは、心停止の危険があるミネラルでしたね。

高カリウム血症のテント状T波は、覚えなくちゃいけない心電図です。

ちょっとでも薬の効果が変にでると、死の危険直面です。

常に心臓の働きをチェックしつつ、

致死的不整脈の対応経験豊富な医師にしか扱えない薬です。

禁忌も多く、

「そんな薬も、一応ある」ということを頭の片隅に置いておきましょう。