3 循環器系のおはなし(4)

細胞の膜電位のおはなし、分かりましたね。

(電気)刺激で細胞が「マイナス→プラス→マイナス」と動くせいで、

周囲の細胞にも電気刺激が伝わることも理解できました。

ここまで分かれば、心電図を理解できますよ!

 

心電図というのは、心臓全体の電気度合いを図に示したものです。

最初にお約束。

「心臓(の中心)から遠ざかる方向に伝わる電気をプラス(+)で、

心臓(の中心)に向かう方向に伝わる電気をマイナス(-)で表します」

このお約束に従って図を書きますよ。

そして、心臓の電気が伝わっていくことで収縮する順番は

「洞房結節→右心房→左心房→右心室・左心室」でしたね。

部屋ごとの筋肉細胞数や、収縮順をまとめただけではまだ心電図にはなりません。

全部の波を重ねると、おなじみの心電図の形が完成です。

 

 

もちろん、「プラス」と「マイナス」を決めるためには「ゼロ(0)」が必要。

ゼロは、原則として地面を基準としています。

でも、心電図を測る機械によっては地面と接触しないものもあります。

そんなときには「2か所の平均」を「ゼロ」としますよ。

ここまでが、心電図の基本知識。

ここからは、ちょっぴり応用。

「心電図の測り方」「正常心電図と異常心電図」です。

 

心電図は、心臓全体の電気度合い…といっても、心臓に電極を刺すわけではありません。

電極というシール(や吸盤、布団はさみのようなもの)で電気度合いを見ています。

なぜこれで「心臓の電気度合い」が分かるのかというと、

心臓で生まれた電気は、心臓の外へも広がって伝わっていくからです。

すごく弱いので「電気!」と感じることはありません。

そして電極は「どちら向き(プラス、マイナス)の電気がそこに流れたか」を

見ていることになります。

 

実は、電極が見ているのは「ついている部分」だけではありません。

「心臓から電極に向かって1直線上にある点の電気」を見ていることになります。

心電図を取るときの方法にはいろいろありますが、

そのうちの1つに電極を両手首と足首につける方法があります。

腕を広げてみると、

腕の電極を付ける位置が、両心房のほぼ直線状にあることが分かります。

この3点で測るときには、基準点は「両腕の電位の平均」です。

両足首を使う4点で測るときには、黒い電極端子が基準の役目を果たしますよ。

では、残った1点の電極はどこを見ているのか。

心室(特に左心室)から出た電気を見ているのです。

左心室は、全身に血液を送り出す部屋でしたね。

 

…ここまでを、まとめておきましょうか。

心電図は心臓から外に伝わった電気を見るものです。

具体的には基準と比べて、

心臓の左心室からどちら向きの電気がどれだけ生まれたか、を見ています。

心臓から遠ざかる向きに電気が流れていったらプラスなので、

心電図に現れる波は上に向かいます。

心臓の中心に向かって電気が流れたらマイナスなので、

心電図の波は下に向かうことになりますね。

次回は「心電図の波」をもう少し見ていきますよ。