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4 消化器系のおはなし(12)

2022年9月12日

もう1つの排出、尿のおはなしに入ります。

尿を作るのは、腎臓の働きです。

ためておくところに運ぶ輸尿管、ためておくところ膀胱

膀胱から外に出すための尿道で、泌尿器系ですね。

本来は泌尿器系のおはなしをしたら

すぐにでも生殖器系に移りたいところですが…そこは後回し。

子孫を増やす生殖器系の前に、

個体として生きていくためのコントロール担当の

脳神経系と内分泌系を説明しないといけませんからね。

 

改めて、腎臓のおはなしです。

腎臓は腰が痛いときに腰をポンポンたたくあの辺りにあります。

お腹側ではなく背中側、左右に1個ずつ。

形としてはそら豆型の器官が、腎臓です。

腎臓の働きはたくさんありますが、

まずは「血液から尿を作る」ことを理解しましょう。

血液は細胞に酸素と栄養物を運ぶ…だけではありません。

細胞から受け取った二酸化炭素と不要物(老廃物)も運びます。

二酸化炭素は肺に運べば、空気とガス交換してくれますね。

残った不要物を体の外に出す…それが腎臓の作る尿です。

 

最初から細かい説明をすると大変なところなので、

大まかに流れをつかみましょう。

血液中に流れている不要物をこしとる「ろ過」をして、

尿のもとになる原尿を作ります。

原尿にはまだ捨ててはもったいない成分が入っているので、

管を通しながら「再吸収」します。

必要に応じて、

もっと気合を入れて捨てたい成分を「分泌」します。

こうして完成したものが「尿」です。

 

大まかな流れ、つかめましたね。

では、もう少し詳しく見ていきますよ。

 

最初に、血液から不要物をこしとる「ろ過」について。

イメージとしては「ざる」と、

出てきたものを受け止める「ボウル」が必要。

ざるにあたるのは糸球体という血管

ボウルにあたるのはボーマン嚢というところです。

糸球体は糸のように細い毛細血管が

くるくる丸まって球体に見える構造。

毛細血管の壁になる細胞は、

隣の細胞との間に少し隙間があります。

この「隙間」が、ざるの目にあたる部分です。

効率よくざるの目からいらないものを捨てるためには、

いらないものを含んだ血液が勢いよく流れてほしいもの。

だから、大動脈・大静脈から

腎臓に直行便(腎動脈・腎静脈)が出ています。

これは肝臓にもない特別待遇。

一日に通る血液量は180ℓ近くにも及びます。

ざるの目の大きさは大事です。

粗すぎて必要なもの(赤血球など)が出ていっては困ります。

細かすぎて詰まってしまっても、体の中なので交換できません。

だから「ある程度の粗さ」が要求されます。

そのせいで、

原尿にはまだ使えるものもたくさん流れていきます。

だから次の段階「再吸収」を忘れてはいけませんよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220912更新)