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4 消化器系のおはなし(9)

2022年9月12日

吸収のおはなしは、前回までで一段落。

ここからは「排出」のおはなしです。

 

排出はとても大事な働きです。

例えば、皆さんが部屋に好きなものを

飾っていったとしましょう。

金銭的問題がないなら…

最初に問題になるのは「飾る空間がなくなること」です。

収納空間がないと途中で何かを捨てないと

次の「好きなもの」を飾れません。

これは飾りだけでなく、洋服や本でも同じ。

もちろん「食べ物(だったもの)」も同じことになります。

食べ物は栄養を吸収するまでは大事なものですが、

栄養を吸収した後はちゃんと捨てないと、

次の食べ物を入れられなくなります。

だから「排出」は大事なおはなしなのです。

消化器系の下部にあたる大腸(結腸)と、

腎臓はじめ泌尿器系が主役のおはなしになります。

 

大腸には「~結腸」という名前がたくさんあります。

でも、腸の走行そのままの名前ですから難しくありませんよ。

小腸(回腸)とのつなぎ目部分が盲腸

小腸と大腸のつなぎ目部分を「回盲部」といいますね。

回盲部に垂れ下がっているのは虫垂です。

上に行く結腸で、上行結腸。

横に行く結腸で、横行結腸。

下に行く結腸で、下行結腸。

S字状の、S状(S字)結腸。

最後に直腸で、肛門から外に出たら食べ物の旅はおしまいです。

盲腸の名前が出てきたので、

「マックバーニー点」も確認してしまいましょう。

「いわゆる『盲腸』(虫垂炎)」のときに、

押すと痛むところがマックバーニー点です。

へそ(臍)と、

右骨盤骨稜(腰骨の出っ張っているところ)をつなぎ、

3つに分けた外側1/3の点がマックバーニー点と呼ばれます。

 

おおまかな形が分かったところで、もう少し詳しく。

大腸は排出の場であると同時に、

水分吸収の場でもあります。

最終的に便として体の外に出るものの約1/3は水分。

水分の吸収が終わってないのに

「食べ物だったもの」が出口に向かってしまうと、

水分だらけの便が出ることになります。

これが「下痢」ですね。

逆に「食べ物だったもの」が大腸に長くいすぎると、

必要以上の水分が吸収されて便が硬く、出しにくくなります。

こちらは「便秘」です。

 

下痢でトイレに頻繁に駆け込むのもつらいものですが、

便秘で便を出せないのも苦しいものです。

女性は一般的に便秘になりやすいので、

意識的に「排出」していきましょう。

その対策の1つが、マッサージ

自分でもちゃんと意味あるマッサージはできますよ。

ポイントは「大腸の走行に合わせること」

マックバーニー点から上へ、お腹は右から左へ、

左側は上から下へ…ちゃんと大腸の走行を意識しながらマッサージ。

食生活や運動習慣と一緒に実行すれば、

便秘予防しつつ大腸の各名称も復習できますよ!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220912更新)