4 消化器系のおはなし(8)

小腸に消化された食べ物到着!

さあ、体内吸収のお時間です。

 

小腸は上部が空腸、下部が回腸と呼ばれます。

だいたい、前2/5が空腸で残りが回腸ですね。

動物等の解剖をすると腸の動きが活発な前2/5が空っぽ…ということが多かったため

前(小腸上部)が「空腸」なのだそうですよ。

おおまかに働きも加えると、

「空腸ではまだ消化酵素たちが頑張って活動中。

回腸でようやく吸収開始!」になりますね。

小腸は栄養を吸収できる面積をできるだけ広くするために、

凸凹だらけの上皮細胞を準備…というおはなしは、最初にしましたね。

「栄養を最大限に吸収する」目的に合った、すばらしい形です。

小腸上皮が凸凹な中、妙に凹んで見えるところがあったらそこはパイエル板

免疫と脂質輸送担当のリンパ管の小さなふくらみ(リンパ小節)が

集まっているところです。

 

そして上皮細胞の表面には酵素や輸送体がいて、

消化の最後の仕上げをして、上皮細胞内に栄養を取り込みます。

これで「食べ物の中の栄養を吸収できた」ことになりますね。

上皮細胞にいる酵素の例としては、

二糖のマルトースを単糖のグルコースにするマルターゼ

上皮細胞にある輸送体の例としては、

異常があるとトリプトファン欠乏でペラグラを引き起こすアミノ酸輸送体

どちらも、生化学で紹介してありますね。

 

では、吸収したらおしまいか。

そんなことはありません。

吸収したものは、一番最初に体内の合成・分解工場の肝臓へ運びたいところです。

だからあるのが門脈系

これまた「3 循環器系」のところでおはなししてあります。

門脈系があることで、吸収された栄養は適した形へと合成されていきます。

前回復習した、グルコースをグリコーゲンに変えるのがその一例。

また、小腸から毒が吸収されてしまっても

肝臓ならすぐに解毒できますね。

これ、薬理学で勉強する「初回通過効果」そのものです。

薬も、体にとっては毒の一種…これまた前回の復習ですね。

 

復習ついでにもう1つ。

食べ物に含まれていた栄養は、全てが血管に入るわけではありませんでした。

そう、脂質では大部分がキロミクロンに入って

リンパ管ルートに流れていきました。

だからリンパはキロミクロンで乳白色に見えて「乳糜」とも呼ばれる…

これまた「3 循環器系」の復習でした。

肝臓についてちょっと補足。

「肝3つ組」構造という言葉があります。

これは「肝臓の中では動脈、静脈、胆道の3つの管が1セットになっているよ」ということ。

動脈は肝臓の細胞に酸素と栄養を届ける固有肝動脈。

静脈は小腸から栄養(ときには毒も)を運んでくる門脈。

胆道は胆汁酸を胆嚢に送るための管でしたね。

そしてこれら3つの管は1つのチューブ(グリソン鞘)に入っています。

肝臓はチューブに囲まれた六角形の肝小葉に、

各種細胞(実質細胞、非実質細胞)が詰まっていますよ。

実質細胞は主に代謝に関係する役割、

非実質細胞は主に解毒に関係する役割です。