5 脳神経系と内分泌系のおはなし(15)

頭蓋骨のおはなしですね。

 

脳を守る硬い骨が頭蓋骨ですが…1つの骨ではありません。

最初に、「顔面ガード部分」と「ヘルメット部分」に分けましょう。

 

ヘルメット部分は、8つの骨で出来ています。

そのうち6つは大脳の区分と一緒ですよ。

前頭骨と後頭骨が1つずつ。

側頭骨と頭頂骨が左右に2つずつ。

あとは脳が下に落ちてこないように

眉間付近の篩骨と、目の上付近の蝶形骨で支えています。

 

「ん?なんか聞いたことある…」

そう思ったあなた、大正解です。

「2 呼吸器系」で出てきた、副鼻腔の名前ですね。

ちょうどそこに篩骨洞と蝶形骨洞がありますよ。

もちろん、前頭骨に前頭洞がありますからね。

 

「あれ?もう1つの上顎洞は?」

それは「顔面ガード部分」の骨です。

顔面担当の骨は小さいものが集まっているので、ちょっと大変。

分かりやすいところは下あごの下顎骨が1つの骨

上あごの上顎骨に上顎洞があって、こちらは左右に1つずつあります。

上あごの内側にあるのが口蓋骨。

こちらも左右に1つずつあります。

上あごの内側には鋤骨(じょこつ)や下鼻甲介(かびこうかい)もありますが、

小さいのでちょっと分かりにくいですね。

ときどきお目にかかる「口唇口蓋裂」は、

この左右にある顔面ガードの骨の間が開いてしまったもの。

早く対処してミルクの飲み口を工夫してあげないと、

口腔内を閉鎖空間にできないのでミルクを飲めなくなってしまいます。

口は、閉じないと飲食物を呑み込めませんでしたよね

これ、「4 消化器系」のおはなしでした。

 

顔面ガードの骨の残りは、鼻の根本の鼻骨、

眉間の内側奥にある涙骨、こめかみの下にある頬骨。

これら(左右分も含め)14個の骨が「顔面ガード」です。

 

どうしてこんなに細かい骨ばかりなのか。

それは、産まれてくるときのことを考えてみてください。

お母さんから生まれてくるとき、頭の骨が1つの骨だったら大変なことになります。

いくら骨盤が広がるといっても、

やはり赤ちゃんの協力なくしては無事に産まれてくることができません。

赤ちゃんの協力とは、

頭蓋骨どうしを少し重ね合わせてできるだけ頭を小さくすること。

無事に生まれたら、重ねた部分を広げて脳の成長を待てばいいのです。

もし頭蓋骨が1つの骨だったら、

脳が成長して狭くなって不要な圧迫を受けてしまいます。

出生時の脳は約370g、成人の脳は1200~1400gということを見ても、

やはり頭蓋骨はたくさんの骨で準備した方がよさそうです。

だから、産まれてしばらくは

赤ちゃんの頭中央上部には骨の感触がありません。

頭頂部の大泉門がふさがるのは約1歳半、

後頭部の小泉門がふさがるのは生後2か月くらいですよ。