5 脳神経系と内分泌系のおはなし(16)

とりあえず大脳の簡単な分類と、脳を守る仕組みを説明しました。

脳の働きのおはなしに入ります。

 

大脳の働きは、

各種感覚神経から届けられた情報をもとに判断・命令すること。

命令は、筋肉に「~しろ!」と指示を送ることですね。

では、判断ってなんでしょう。

辞書によると「判断とは、物事を理解して考えを決めること」だそうです。

理解に関連の深い「統合」や「総合」は何かというと。

「統合とは、2つ以上のものを合わせて1つにすること」で、

総合は統合と似た概念だけど合わせた結果を重視、

統合は合わせる前の存在を重視する傾向があるそうです。

 

「なんで用語解説始まっちゃったの?

知りたいのは、『大脳の働きとしての判断』なんだけど」

 

判断って、文字だけで理解しようとすると結構難しい概念なんです。

だから、とりあえずの定義を確認したうえで、具体例で行きましょう。

 

あなたが、インスタントコーヒーを飲もうとしたとします。

前提として、あなたの手元にあるインスタントコーヒーの外袋には

「お湯に溶かしてください、水には溶けません」とあったとしましょう。

…お湯、沸かしますよね。

ポットでも、ケトルでも、電子レンジでも構いません。

さて、なぜあなたはお湯を沸かしましたか?

 

「え?だってお湯にしか溶けないコーヒーなんでしょ?」

はい、そのとおり。

でもその前に。

「今、お湯がないな」という記憶か判断があったから、

あなたはお湯を沸かしたはずです。

 

では同じような状況下で、今度は朝沸かしたお湯がポットにあったとします。

なぜお湯を使おうと思いましたか?

 

「え??だって外袋に『お湯に溶かしてください』ってあったよ?」

その通り。

「お湯に溶かせ」と書いてあったから、水じゃなくてお湯に溶かそうと思ったのですね。

このときのあなたの大脳で起こったことは、

「お湯に溶かせ」の文字を視覚情報として取り入れ、

その文字の意味するところを理解して、

「お湯を使う必要があるな…」と考えたのです。

これこそが、判断です。

 

そして統合というのは、

「これはインスタントコーヒーだ」という理解と、

「そういえば、今、お湯ないな」という記憶や判断を合わせて、

「じゃあ、お湯沸かそう」と行動を決める。

この過程が、統合です。

 

「つまり、普段意識せずにやっていることの多くが『判断』や『統合』で、

それは全部大脳がやってくれてる…ってこと?」

 

大当たり。

それが、大脳の働きなのです。

残念ながら、まだ明らかになっていないところが多いので、

大脳はブラックボックスだらけです。

でも、少なくとも分かってきたことがあります。

神経伝達物質の異常が、大脳の働きに影響しているのです。

次回、できるだけ簡単に説明しますね。