6 筋骨格系のおはなし(10)
大事な(よく出てくる)骨について。
今までの勉強順に確認して、
最後に今まで出てこなかったところをおはなししますよ。
呼吸器系では肋骨、胸骨、鎖骨、そして背骨が出てきますね。
胸骨は胸の真正面にある骨、
鎖骨は胸骨の上部と肩の肩甲骨をつなぐ骨。
肋骨は胸郭の外側をガードする、肋間筋がついている骨です。
後は背骨があることで、肺胞の入る閉鎖空間「胸郭」を守っています。
脳神経系を勉強した後なので、
背骨の中を脊髄が通っていて、背骨がたくさんの骨でできていることも分かりますね。
背骨どうしがぶつかって欠けないようにしているのが、椎間板。
これが脊髄側にはみ出てきて、
脊髄にぶつかると「椎間板ヘルニア」です。
背骨がたくさんの骨で出来ているのは、
頭の重みを支えるアーチを作るためです。
アーチが重みに強い理由については、あとで足の骨で説明しますからね。
循環器系に骨…?と思うかもしれませんが。
循環器系のめぐるもの、血液の血球のふるさとは骨髄です。
造血幹細胞から、
酸素を運ぶ赤血球も、免疫担当の白血球(リンパ球含む)も、
血を止める血小板も生まれます。
生化学「12 血液と免疫」を復習しておきましょうね。
消化器系では歯を再確認です。
歯は、骨と構成成分が似ています。
細菌の作る酸で構成成分のヒドロキシアパタイトが溶けてしまうのが、虫歯。
酸の刺激を嫌って歯茎やあごの骨が後退し、
支えを失った歯が抜けるのが歯槽膿漏。
どちらもうまく噛めなくなって、消化吸収に悪影響を与える原因でしたね。
だから、口腔衛生は大事!
点滴等で口から食べていないとしても、うがいや歯磨きはしっかりとしましょうね。
それが誤嚥性肺炎の予防にもなること…これまたおはなし済みですよ。
そして脳神経・内分泌系。
頭蓋骨のおはなしをしましたね。
頭ガード(ヘルメット)は、8つの骨。
顔面ガードは14個の骨でした。
全部覚えるのではなく、大事なところが分かればいいおはなしでしたね。
呼吸器系とも関係する、副鼻腔の名前と一緒に説明しました。
あとは、聴覚の耳小骨も忘れてはいけません。
音を増幅してくれる「つち骨・あぶみ骨・きぬた骨」ですよね。
ここまでが、今までの復習。
ここからは、もう少し補足しておきたい骨のおはなし。
腕と手・骨盤・脚と足の骨についてです。
腕の骨は結構シンプル。
肩から肘までが上腕骨、
肘から手首までが親指側の橈骨と、小指側の尺骨です。
力こぶを作るのは上腕二頭筋で、
裏側の上腕三頭筋は注射(皮下注射…ワクチン等)の場所ですね。
手の骨は少々細かいので、ここでは省略。
でも、他の指と動きの違う親指根本の鞍関節だけは覚えておきましょう。
そこが小指方向(対立位置)に動けるから、
しっかりとものをつかむことができるのです。
ペンもスマホも、親指がちゃんと動くから使えるのですよ!
次回は骨盤のおはなしからスタートです。