2 皮膚(3)皮膚に必要なもの

「皮膚の細胞を守るため」に必要なもの、

続けて確認していきましょう。

皮膚には、汗の出る穴(汗腺)があります。

汗は体温を調節するために必要ですね。

汗は水(水分)が主成分。

「水の気化」が体温を下げるために役立っています。

「気化」については(基礎)化学で勉強したはず。

液体の水が、気体の水蒸気に変わる(相変化)ときに、

周囲の熱を奪います(気化熱)。

汗が出て、それが空気中へと蒸発していくときに体温が下がるのです。

 

…普段「体温が下がってる」と意識する機会はないかもしれません。

でも実感できる瞬間はありますよ。

注射(や採血)前のエタノール綿による消毒は、

拭かれた後に「すーっ」としますね。

この「すーっ」は、エタノールが皮膚について、

液体から気体になって消えていくときに熱を奪った証拠です。

 

汗の働きは体温を下げるだけではありません。

表皮の一番外側にある角質の「隙間を埋める」働きもあります。

 

まずは復習。

角質は「生きていない細胞」でしたね。

細胞が生きていないので、

細胞の内外環境を維持する働きもありません。

…どうしてもとなりの細胞と隙間ができてしまい、

せっかくの物理的防壁にも

見やすい出入口がある状態になってしまいます。

この状態は皮膚の内側(真皮以下)にとってもよろしくない状態。

本来反応しなくていい「ささいな刺激」を感じ取り、

痛みやかゆみが出てきてしまいます。

だから、汗を出して角質の間を埋める必要があるのです。

水分が十分に出ていれば、

物理的防壁の隙間が「(少なくとも)見えにくい状態」になります。

十分に汗が出ていたなら、角質がほど良く水で膨れ、

物理的防壁の隙間が限りなくゼロに近づくのですね。

これなら皮膚の内側も変な刺激に悩まされることもありません。

 

ここまで、汗の必要性を簡単に見てきました。

日本にはほどよく湿気があるので、

「汗はうっとおしいもの!」のイメージが強いかもしれません。

だけど、夏のエアコン直下や冬に乾燥する地域では

皮膚の乾燥を意識する機会があるはず。

近年ではエアコンを入れると常に

「お肌の乾燥」条件が整ってしまいますね。

これら乾燥に対応するためには、

「汗を出す」だけでは足りません。

油(皮脂)が必要です。