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数字なんか怖くない!:比例の基本(1)

2018年7月7日

今回からは比例についてのおはなし。

最終的には、看護師国家試験に出てくる

「酸素ボンベ計算」「点滴計算」を解けるようになりましょう。

 

今回は基本から。

比(比例)とは何だろう、からです。

まずは具体例で考えていきましょう。

10個のボールがありました。

これを2人で分けるとします。

5個ずつに分けたとき、2人がそれぞれ持っている個数はいくつですか?

 

5個と、5個だよね。

 

はい、そうですね。

では「全体のうちのいくつ」で表現するとどうなりますか?

 

10個のうちの5個と、10個のうちの5個…

難しくないけど、なんだか書くの面倒だなぁ。

5/10と5/10でいい?

 

はい、オーケーです。

約分できるので、1/2と1/2でもいいですね。

これ、どちらも同じ割合を表していますよね。

これを「1:1」と示すのが、比(比例)の考え方です。

「全体のうちのいくつかをあらわす形の1つ」が比(比例)ですね。

 

全体のうちのいくつか…?

分数や、割合と同じことなの?

 

そうです。

そこが分かってくれれば話は早い。

先程のボールの例は10個でしたが、

100個にしても同じように考えることができます。

50個と50個…50/100と50/100で、約分して1/2と1/2です。

結果としては「持っている数の比は1:1」で同じですよ。

 

ではちょっと聞き方を変えて。

AさんとBさんは1:2の割合で筆記具を持っている。

2人の持っている筆記具が6本のとき、

Bさんは何本筆記具を持っているでしょうか?

 

このとき、筆記具全体の数は6本。

割合を考えるときの全体は?

 

1:2で持っているから…3?

 

はい、そうですね。

「 : 」という比の形をとっているとき、

比の(数字の)合計が、割合を考えるときの全体の数になります。

Aさんは1/3、Bさんは2/3を持っていて、

全体の筆記具本数は6本。

それぞれに6をかけると、

Aさんは2本、Bさんは4本持っていますね。

割合も、本数も問題なさそうです。

 

最初のボール10個も同じように考えると…

2人で、5個ずつは比で表すと1:1ですね。

比の全体は1+1=2。

ここに全体の数10をかけると、5個と5個。

問題ないですね。

 

なんでわざわざ簡単なことを難しく確認するの?

 

「簡単」なうちはいいのですが。

一見して分からなくなってきたときに、

この計算方法は役に立ちます。

『「 : 」という比の形をとっているとき、

比の(数字の)合計が、割合を考えるときの全体の数になる』

今回はここを覚えてくださいね。