4 神経系と内分泌系:守るためには指揮命令(1)
神経系と内分泌系(ホルモン)のおはなしに入ります。
ここも、本来なら1冊の本ができるくらい分量がある分野。
全部をおはなしすることはできませんから、
大事なところだけを、できるだけ簡単にまとめます。
前半がホルモンについて、後半が神経についてのおはなしです。
内分泌とは、
分泌物が血液中に放出されて遠くの組織や器官に作用すること。
ホルモンとは、
内分泌で「分泌される物質」のことです。
ホルモンが出ることで、
全身の組織・器官がコントロールされているのですね。
「微量で全身に働く」という意味では、
ビタミンやミネラルと似ているところはあります。
でも、ホルモンは有機物ですからミネラルとは違いますね。
同じ有機物でも、
体内で作れるという意味でビタミンとも違います。
ホルモンを作るところがおかしくなってしまうと、
全身に悪影響が出る原因になります。
神経も組織や器官をコントロールしますが、
ホルモンは血液にのって流れていく点で、神経とも違います。
神経は情報を伝える「線」のようなもの。
切れてしまったら、そこから先には情報が伝わりませんよ。
ホルモンはなぜ必要なのか。
それはホメオスタシス(身体の恒常性)を守るためです。
一番イメージしやすい例は、体温。
夏の30℃越えの日も、冬の氷点下の日も。
私たちの体の中(体温)はほぼ一定に保たれています。
体温をうまく保つことができないと、
酵素のフルパワー温度から外れてしまいます。
酵素がうまく働けないと、
消化吸収ができず、ATPを作ることができません。
消化器系も、呼吸器系も循環器系も。
各器官系がちゃんと働いて、細胞が生きていく話の大前提には、
「体温の恒常性」があったのです。
他にも守らなくてはいけない恒常性はたくさんあります。
これら恒常性を守るために、
ホルモンは細やかな分泌調節が必要なのです。
次回は、恒常性を守る基本システム
「フィードバック」のおはなしから始めます。
「正」と「負」の、2つのフィードバックがありますからね!