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11 ホルモンのおはなし(7)

2022年6月7日

前回残しておいた、副甲状腺ホルモンのおはなしです。

副甲状腺から出るホルモンはパラトルモン(PTH)

骨と小腸と腎臓に働きます。

具体的には…

「骨のリン酸とカルシウムを血液中に放出」させ、

「腎臓にビタミンDを活性化させ」つつ、

「小腸にリン酸とカルシウムの吸収を促進」させて、

「腎臓の尿細管でカルシウムを再吸収させる」のです。

 

…何がしたいのか、一見わかりませんよね。

 

こんなときには、

ビタミンDとカルシウムの働きを思い出しましょう。

ビタミンDは骨代謝に関係していました。

そしてカルシウムの吸収にも関係していましたね。

出発点を「骨の作り替え(骨代謝)」にして、

パラトルモンの働きを見てみましょう。

骨は全体が古くなってしまわないように、

日々少しずつ壊して、少しづつ作り直していましたね。

ここをパラトルモンは応援します。

もちろん、壊すよりも作り直すほうが

多くないと意味がありません。

だから、骨を作り直す骨芽細胞を応援したいのですが…

それはビタミンDの役目。

だから、腎臓に働いてビタミンDを活性化してもらいます。

これなら、ビタミンDが骨芽細胞を応援できますね。

これで骨という倉庫の外側はいつでも新品です。

 

でも、骨代謝によって

骨の中にためてあったカルシウムとリンは

血液中に溶けだしていきますね。

そのまま放っておいたら、

中に入れるのものが足りなくて倉庫改修の意味がありません。

だから、再度腎臓に働いて

血液中に溶け出たカルシウムを

尿として排出しないよに作用します。

さらに小腸に働いて、

食べ物からカルシウムとリンを吸収促進です。

 

さあ、先程のパラトルモンの働きを読み返してみてください。

今度は、やりたかったことが分かってくるはずです。

このように、パラトルモンは「骨代謝」を軸に

働きを理解することがポイントです。

これなら、単なる暗記ではありませんね。

 

以上が、頭から首(頸部)から出るホルモンです。

さあ、視床下部ホルモンのところを読み直してみましょう。

 

…すごく大事なところを

直接的・間接的にコントロールしていますよね。

それが分かってくれればオーケーです。

視床下部は下垂体をコントロールし、

下垂体(の一部)は甲状腺をコントロールする。

これが全身の代謝の調節です。

「代謝」は細胞の

「グルコース1個から36ATPを作る」のことでもあります。

そして、そのATPは筋肉を収縮させ、

筋収縮は体温にもつながります。

細胞レベルと個体(ヒト)レベル、

意識してつなげていってくださいね!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220607更新)